Chapter3 暗夜①

  • 超短編 1,973文字
  • シリーズ
  • 2019年10月08日 08時台

  • 著者:退会済み
  • ※最初、若干18禁入ります。ご了承ください…m(_ _)mペコリ


     現在、アジト。
     私はここの主将として、多くの部下を率いている。
     そんな中、私と1人の部下はある部屋で2人きり。
     今はその真っ最中なの。
     赤とピンクの光に包まれた部屋。


     「ほーら、いらっしゃい。好きなようにしていいわよ♪」
     「佐江子様、マジすか?」
     「ええ。ご褒美だもの。い~っぱい可愛がって、あ・げ・る♪」
     「あぁ…///佐江子様あぁ!」
     部下が私の身体に飛び付いてきた。

     …その時だった。


     「佐江子様!ご報告があります!」
     「あら?そう…。
     ごめんなさいね、ご褒美は後回しみたい。」
     「え、ええぇ…。」
     あら、悲しそうな顔しちゃって…。
     まあいいわ。終わったらたっぷり可愛がってあげるからね…♪



     「何かしら?報告って。」
     会議室に集まり、報告を聞いてみるとする。
     「ええ。この女ですが…。」
     写真を渡され、それを覗いてみた。

     写っていたのは、さっき会った刀の少女だった。
     確か、妹もいたはず。そんな彼女が、今の事件を必死こいで追っている。
     「名前は「松浦 奈那美」。彼女は凄腕の刀使いだそうです。」
     「そうらしいわね。実際私も会った事あったし、妹もいたはずよ。」
     「というと…?」
     その目的はただ一つ…。決まってるじゃない…。


     「…妹の方を拐うわ。」
     「え?」
     「妹を拐えば、自然と彼女に近付けるだろうし。
     相手にするのであれば、それが丁度いいわ。」
     「なるほど…。」
     この目的に専念するため…、私は作戦を立てておいた。


     まず、隠れてやり過ごす。
     妹は姉にくっついてばかりだから、1人になった時に隙を見て不意を突く。
     多分不意打ちに弱いだろうし、それをうまくやれば武器も弾ける。
     そして姉の方は妹を助けるはずだから、まず姉を殺し妹も殺す。
     ここまでが、私の作戦…。


     「そうと決まれば、早速準備に入るわよ。」



     「ほぇ~、ここが姉貴の…。」
     「土足でいいよー。」
     現在、私の巣。
     さっきの戦いで青年と和解し、とりあえず巣を紹介する。
     青年の名前は、「西園寺 涼介(さいおんじ りょうすけ)」というらしい。
     バリバリの武闘派で、何よりも荒くれ者だ。
     でもさっき、「大屋の事件を協力する」とは言っていたから、そうなれば心強い。
     「んじゃ、今日から世話になるわ。よろしくな、姉貴!」
     「…というか、あんたを弟子にした訳じゃないから、勘違いしないでよね。」
     「わかってるよ。でも、大屋の事件を追う協力者となるのは変わりねえだろ?」
     「そうかもしれないけどさ…。」
     初めて入った仲間がこんなんでいいのだろうか…。
     協力するのは構わないが、後先が不安だ…。
     「もう一つ、お姉ちゃんは私のお姉ちゃんだよ!お姉ちゃんに手を出したら、私が許さないんだからね!」
     「はいはい、わかってるよ。」
     (うーん、若葉も涼介もどっちも同じだ…。)
     そんなくだらない空間の中で、私はため息をついた。


     「…大屋軍?」
     「ああ。それが奴らの団体名だ。」
     涼介の口から出た言葉、大屋軍。
     主将は大屋佐江子…つまり事件を起こした彼女が率いっている暗殺部隊らしい。
     「そんなのが街中にいるの?」
     「ああ。誰であろうと平気で人を殺す。だから街中で呼びかけをしてるって訳だ。」
     その大屋軍が、今回の事件の鍵となるだろう。
     (…じゃあ、さっきのあの2人も大屋軍の一員なのかな…。)
     私は内心そう思った。
     奴らの胸に付いていたバッジ…、その大屋軍と聞いた時は、まさかと思ってた。
     彼らの目的は何なのか。何のために人を殺しているのだろうか。
     「まあ俺からは、これぐらいしか情報ないけどな…。
     他にも何かあったら、すぐに姉貴に報告するよ。」
     「うん。そうだと助かる。」
     彼…涼介と若葉と私。
     この3人が今、結成されるーーー。


     「なあなあ、俺達のチーム名どうする?」
     「どうしたの?急に。」
     いきなり涼介が、提案を先走った。
     チーム名…か。そういえば考えてなかったな。
     「俺ら今こうしてチーム組んでる訳だろ?何ならいっその事チーム名考えようかと思ってさ。」
     「いいけど、私ネーミングセンスないよ?」
     まあ、言われてみればそうだ。
     あまりいい名前は、私にも若葉にもない。
     そう思っていたが…。

     「じゃあさ、あっちが「大屋軍」だったら、こっちは「松浦軍」でいいんじゃないか?」
     「え、ちょっと、人の名前勝手に…。」
     なんか勝手に私の苗字使われた。
     いや、私のというか、若葉のもそうだけど…。
     「松浦軍かぁ…。私はいいと思うよ!」
     「え、えぇ…?」
     どうやら若葉も賛成のようだ。
     勝手に名前使われるのは気が乗らないけど…。
     「どうだ?姉貴。」
     「…仕方ないなぁ…。いいよ。松浦軍で。」
     仕方なく決めた。
     「よっしゃあ!じゃあ今日から俺らは松浦軍だ!
     リーダーは姉貴、松浦奈那美!団員は松浦若葉、西園寺涼介!よろしく頼むぜ!!」
     「ちょっと!勝手に進めないでよー!」
     うーん…、どうも涼介の話に付いて行けない…。
     こんなんで私、体力持つかなぁ…?

    【投稿者: 2: アズール021】

    あとがき

     はい、Chapter3開始致しました。今回の事件の中心となる大屋佐江子はこんな奴です。
     それでは紹介をどうぞ。ようやく大屋です…(笑)

    ~登場人物紹介~
    大屋佐江子(おおや さえこ)
     大屋軍の主将で、暗殺者の一人。40歳。銃器や鉤爪といった凶器を軽々と扱う。普段はメリケンサックで殴り倒してから凶器で死刑という恐ろしい行動を目的としており、人間の流血を好んでいるサイコパスである。動きもとてつもなく素早いため、彼女に敵う事は不可能とされている。
     外見は黒髪で前髪が空いたロングヘア、胸元が大きく開いた赤黒のワンピース、赤のハイヒールを着用している。頭にはヘッドドレスを被っている。性格はかなり腹黒く、人間の死を好む。
     多くの手下を慕っているが、その手下の中でも「使えない」とされた者は、その場で殺害という残酷な決まり事を手下達に従う。手下からは「佐江子様」と呼ばれている。

     こんな感じで物語を進めていこうと思います。ではまた次回。

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    コメント一覧 

    1. 1.

      20: なかまくら

      西園寺さん、名前かっこよすぎですね。でもなんとなくヤサ男な感じがしてしまうのは、少女漫画とかで使われそうな名前だからでしょうか(笑