由美は大介と展覧会に行った。
恋人と絵を観に行くのははじめて。
その画家はフランスの画家で、風景画で有名な人だ。
ノートルダム寺院の絵の前で由美は立ち止まる。
寺院のステンドグラスがきれいだ。由美はひきつけられた。
観ているとなぜか涙がこぼれた。
絵を見て泣けてきたのははじめてだ。
感動したのだろうか。
それとも大介に手を引かれて観ることがうれしいからか。
由美にはわからなかった。
◆
由美の結婚が決まったので由美は父母と一緒に
クワガタが出そうな温泉宿に行った。
母と一緒にお風呂に入り、母が由美の背中を流してくれた。
母は由美の背中を優しく洗いながら、
「この背中は私のものだよ」
と言った。
由美は心の中で「この背中はもうあなたのものじゃない」と思っていたので驚いた。
老いはじめた母は泣いていたのかもしれない。
◆
大介は独身最後の夜、一人で飲んでいた。
月がきれいな晩だった。
ああ俺も結婚したらもう今までみたいに自由気ままはできないな。
好きな世界にどっぷりとはつかれない。
なんかうれしいけれどもちょっと泣ける。
お月さんがにじんで見えるよ。
あとがき
滑り込みセーフか。
コメント一覧
いつもと違って
ギミックが入っているので
難しいですね〜
まさか、デンデロさん!
いや違うカモ
スズメノテツパウです。
真ん中の話がすっごくいいですね!! ちょっとぶわっとなんかきましたよ!
howameさんでしょうか。
砂犬ですこんばんは。
私も真ん中の話が印象に残りました。
誰かと結ばれるってことは他の縁を切るってことでもあるんですね。
howameさんだと思います。
「実況役のアメジストです」
「解説役のガーネットです」
「それでは解説の方お願いしますガーネットさん。howameさんという意見が圧倒的ですが?」
「同感です。短くも気持ちのつまった作品であり、結婚という節目をもって親から旅立つ心情が描かれていると思います。こういった人の気持ちに注目しまとめ上げる作風はhowameさんだと思います」
「さぁいよいよ次でラストです。最後の作品はだれになるのか、皆様次の予想でお会いしましょう」