プロローグ not a hero

  • 超短編 1,893文字
  • シリーズ
  • 2017年12月14日 22時台

  • 著者: リオン
  • ~愛梨side~

     愛梨「…準備はいい?もう始めるよ?」

     薄暗い部屋の中。あたしは一人で通話していた。

     両親は殺され、兄貴にも逃げられ…、あたし一人の作戦が始める。

     愛梨「これ以上待てないよ。あたしにはやることがあんの。」

     そう言って、あたしは通話を切り、別の部屋へと向かった。

     作戦は何か、ここでは教えないけどさ。


    ~慎太郎side~

     本部『彼女は無事でしたか?』

     慎太郎「ああ。藤咲麗奈を保護した。彼女はもう心配ない。」

     俺は藤咲慎太郎。

     麗奈の従兄弟だ。

     麗奈と冬斗の父親の兄の子であり、自衛隊を勤めている。

     本部『水島愛梨は?彼女がコネクションへの唯一の鍵です。』

     慎太郎「次は奴を追う。」

     水島邸で起きた事件。

     俺は一旦麗奈と冬斗を避難させ、水島邸で行方不明となっている愛梨を探す。

     彼女は、歴とした真犯人であった。


     しばらくの時間が経ち、俺は鉱山内部へ足を踏み入れた。

     ここは、麗奈が一度歩めた場所。

     慎太郎「鉱山内部に入った。」

     本部『こちら本部。通信は良好です。』

     本部『鉱山内は愛梨がアジトに改造した模様。なお、先行した隊員との連絡が途絶えています。』

     慎太郎「消えたのは何人だ?」

     本部『3名です。交信が途絶えたのは、その先のラボ付近です。まずはそこを調べてください。』

     慎太郎「了解。」

     愛梨の手で、この鉱山内部をアジトに改造した場所がここだ。

     とてつもなく嫌な感じが伝わってくる。


     本部『その先がラボです。』

     慎太郎「こんな所で何の研究をしているんだ?」

     本部『まだ詳細は不明ですが、どうやらE型特異菌の培養実験をしていたようです。』

     慎太郎「行方不明の隊員が巻き込まれていないといいが…。」

     本部との通信を聞いた俺は、そう呟いた。

     3名の隊員が、何の変化をしないといいのだがな…。


     扉を開けると、二人の隊員がいた。

     捕まっていたままだったのか、無事のようだ。

     慎太郎「今助けるぞ。」

     隊員「やめろ…、もう手遅れだ…。」

     慎太郎「皆でここから出るんだ。」

     隊員は苦しそうに否定していた。

     すると…。

    カチャッ

     慎太郎「…!?」

     隊員?「残念だったね慎太郎。そうはいかないよ。」

     隊員?「そいつはやめた方がいいね。」

     突然、もう一人の隊員から手首に何かをつけられた。

     愛梨「よいしょっと…。」

     慎太郎「…!?」

     ガスマスクを外すと、その正体は愛梨だった。

     愛梨「ま、そいつを無理に外してもいいけど、オススメはしないからね。」

     愛梨「あたしの手が滑れば…、ドカンだよ。」

     愛梨が手に持っていたのは、爆破専用のスイッチだった。

     よく見ると、隊員の首元に爆弾がつけられていた。

     俺の手首につけられたのも…そうだった。

     そして…。


    ドーーーンッ!

     愛梨「おっと!」

     愛梨はスイッチを押し、爆弾を爆発させた。

     隊員の首元につけられていたため、その隊員は頭を弾けさせて死んだ。

     愛梨「いい?よく聞いてよね慎太郎。ここからさっさと引き上げば、あんたの首も吹っ飛ぶ事もない。」

     愛梨「それは、お仲間の兵士どもも同じ事。わかったら、とっとと消えろ。」

     愛梨はそう言って、部屋を出ていった。

     慎太郎「くそっ…!」

     俺は立ち上がろうとすると、天井から煙が吹き出した。

     中には、埃らしき物体が混じっている。

     本部『空気中の胞子を探知。E型菌のようです。』

     本部『マスクが自動で気密モードに入りますので、酸素残量に注意してください。』

     これは、愛梨が研究していたE型特異菌だった。

     みるみる酸素が減ってしまうので、急がないと死に至る可能性もある。


     しばらく進むと、特異菌から逃れた。

     本部『汚染領域を抜けたようです。一度戻って、腕の爆弾を解除しては?』

     慎太郎「時間がない。戻るのは奴の思う壺だ。」

     本部『…わかりました。気を付けてください。』

     今のままでは、爆弾の解除は絶対に難しい。

     俺はそう確信していた。


     本部『慎太郎、傍受した通信の解析結果が出ました。やはり愛梨は、エヴリンの監視データを「コネクション」に報告したようです。』

     本部『悲劇を繰り返さないよう、必ず彼女の確保を。』

     慎太郎「奴を取り込みたいんじゃないのか?」

     本部『もうこの話はしたはず。』

     慎太郎「B.S.A.A.は納得して、俺を派遣したんだろう?」

     慎太郎「だが俺は「アンブレラ」の名を信用などできない。」

     本部『気持ちはわかりますが、聞いてください。』

     本部『確かにかつての「アンブレラ」に所属していたメンバーも多いですが、今残ってるのは名前だけ。』

     本部『とにかく、任務に集中してください。この話は戻ってからにしましょう。いい?』

     慎太郎「…ああ、わかった。」

     こうなっているのならば、仕方がない。

     愛梨の確保に集中しよう。

     さて、どこにいる。愛梨。

     必ず見つけて、確保してやる。

    ~続く~

    【投稿者: リオン】

    あとがき

     はい、バイオハザード7番外編の小説です。めっちゃ久しぶりですよね!(笑)本編完成してから何週間経った事か…自分でも知りたいくらいです。
     相変わらず下手くそな文章ですが、皆さんに楽しんでもらえるような作品にしていきたいと思います。

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    コメント一覧 

    1. 1.

      1: 9: けにお21

      結構女性が手ごわく強い!と感じました。


    2. 2.

      リオン

      けにお21さん》
       お久しぶりです。コメントありがとうございます♪
       愛梨はこれまでに結構というほど拷問器具を作り上げてきましたからね。ここから慎太郎はどうするか、続きはいつになるかわかりませんが、お楽しみに♪


    3. 3.

      20: なかまくら

      久し振りですねぇ!
      相変わらず、展開メーカーなところがあって、読んでいて楽しいです。