恐灰神目玉龍商店街

  • 超短編 883文字
  • ジョーク
  • 2017年11月09日 02時台

  • 著者: 鰯崎 友
  • 今日は体育の日でお休みだったので、自宅から市営乱ヶ浜線で2駅ほどのところにある、恐灰神目玉龍(おそれかいじん めだまりゅう)商店街へ散歩に行ってきました! ここ、最近『アド街ック天国』でも取り上げられて、人気急上昇中のスポットなんです。お気に入りのカメラとしゃもじを持って、最寄りの遊魂怨地院(ゆうこん おんちいん)駅へ降り立つと、サッソクいい香りが。このあたりに漂う魂の香りなんだそうです、ウーンお腹へったなあ。ご当地名物「霊下(たまくだし)焼き」のお店が軒を並べています。ドコにしようかな、迷ってしまうなあ。何軒か様子をみて、いちばん眉毛がとがっているお父さんの店に、きめました。お父さん、焼きたての霊下し焼き、ひとつください!このお菓子、見た目は今川焼みたいなカンジなんですが、アンコではなく人間の魂が入っているのが特徴なんだそう。しかも、どういう人間の魂かは、食べてみるまで分からないんですよ。アッ焼きあがりましたね。ひとつ300円です、観光地価格なのはしかたないかな。アツアツで、とても香ばしいにおいがします。さっそくいただきます。ほふ、ほっふ、お、ひとかじりしたら中から出てきました、これが魂ですね、トロリとしてとても濃厚、お父さん、これ、誰の魂なんです? エエッ!? 平将門?すごくないですか!? ひとつめで、平将門? ああ、生地をすこし焦げ目のつくくらいに焼きあげていて、なかの魂との組み合わせがとてもいいですね。あまりのおいしさに首が空を飛んでいきそう! おいしいので、オカワリしちゃいましょう。ああ、これ何個でもいけそう、今度はダレ? ダレの魂なんですか?え?服部通三さん?ってだれでしたっけ?1927年、東京都墨田区生まれ、たわしメーカー営業のお仕事に就いておられた方ですって? チョットわからないな…。でもさっきの平将門よりもアッサリしてて、これはこれでオイシイですね! 記念に眉毛のとがったお父さんと写真をいちまい、パチリ! あと、しゃもじは持って来たものの使い道が特にありませんでした!ああ、恐灰神目玉龍商店街たのしい、皆さん、ぜひ一度足を運んでみてくださいね!

    【投稿者: 鰯崎 友】

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    コメント一覧 

    1. 1.

      1: 3: ヒヒヒ

      笑いました。ここまでボケの多い小説も珍しいですね
      魂の臭いって言うところとか、あんこの代わりに魂とか、最初に平将門が出てくるところとか(明らかに騙されてる笑)、ツッコミが追いつかないです。
      最後に一つだけ、しゃもじ使わないんかーい。


    2. 2.

      鰯崎 友

      ヒヒヒさん、コメントありがとうございます。みやぞん的なハイテンションで書いております。