Chapter4 血戦②

  • 超短編 1,060文字
  • シリーズ
  • 2019年11月06日 16時台

  • 著者:退会済み
  •  「…ほら、これでおしまい。」
     「くっ…。」
     大屋との戦いはこの前もあったから、大体の動きは読めた。
     大屋を薙ぎ倒し、私は大屋の腕を掴む。
     「…ふんっ、それで勝ったつもりでいるの?」
     「…は?」
     大屋はそう言うと…。


    ジャキンッ!
     「…!危な!?」
     突然、大屋は大型のナイフで切り付けてきた。
     なんとか避けれたが、避ける衝撃で大屋の腕を放してしまった。
     「そんな簡単に私を倒して、軽く腕掴んで勝ったようじゃ…、
     あんたはまだ、私を捕まえる事を甘く見てるわ。握ってる感じが弱々しいのよ。」
     「大屋…!」
     くそ、腕力が足りないというのか。
     でもそんな強くできる方法は見つからない。
     「残念だったわね!また私を捕まえられなかった!これで2対0ね!!」
     「…また私達が負けたんだね。」
     「それと西園寺、今回は見逃してあげる。次はあんたの命がないと思いなさい。」
     「……。」
     大屋はそう告げ、さっさと行ってしまった。


     「…涼介。」
     「…!」
     「大屋と、どういう関係なの?」
     私は怒ってる訳ではないが、険しい表情をしてるだろうな…。
     でも、さっきの発言がどうしても気になる。
     「…それを今から話す。巣に行ってから説明するよ。」
     そうして私達は、巣へ向かう事にした。



     現在、私の巣。
     ここで涼介についての話を聞く。
     「…あんたの知ってる事は全部話してもらうよ。
     あいつとはどういう関係なの?」
     涼介は下を向いたままだが、口を開く。

     「…これだけは話しておこうかと思ってな。」
     「ん?」
     涼介から出てくる言葉…、しっかり聞いてあげるとしよう。


     「…俺さ、姉貴達と出会う前は、ある軍団に入ってたんだ。
     それは姉貴も若葉も知ってる軍団だ。」
     私と若葉が知ってる軍団…、思い当たる節は…。


     「もしかして…、大屋軍?」



     「…ああ。そうだよ。」



     …やっぱりそうか。
     だから涼介は、大屋と面識があったのか。
     「じゃあ今は大屋の命令で、私達を始末しろと?」
     問題はそれ。
     もしかすると、涼介は大屋の命令を聞いて、松浦軍に入ったのかもしれない。

     「いや、別にそういう訳じゃねえんだがよ。何の命令も聞いてねえ。」
     「…え?」
     命令を聞いてない?じゃあ何故大屋とは面識があるのだろうか?
     そして、涼介は話を続けた。


     「俺はな、大屋軍から脱退したんだ。」
     「…脱退…?」
     大屋軍から脱退。
     つまり、大屋軍の手下になる事を辞める。大屋軍から抜けたって事になる。
     「ああ。俺が大屋軍に所属していた時の事を、今から話すけどな。
     …長くなるけど、いいか?」
     「うん。」
     それで涼介の事がわかればそれでいい。
     じっくり聞いてやるとしよう。


     「俺が大屋と最後に話したのは、1ヶ月前ーーー。」

    【投稿者: 2: アズール021】

    あとがき

    涼介から語られるのは一体何でしょうか…。涼介は以前大屋軍に入っていたとされていましたが、その脱退の理由は次回語られます。お楽しみに。

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