現在、午前7時。
いつもなら遅く起きるのに、今日は珍しく朝早くから目が覚めた。
私は巣の中で、スマホの画面を覗いていた。
昨日の事件が、早速ニュースとなっている。
あのビルで一般の女の人が、大屋によって殺された件。
きっと記者がそれを聞いて、ニュース記事に載せたのだろう。
仕事が早い。
若葉は、隣で寝息を立てている。
若葉の可愛い寝顔は、幼い頃から変わらない。
そっと優しく撫でると、猫のように身体を丸める。
こんな姉の元に、こんな可愛い妹ができて、本当に良かったと思う。
「…気晴らしにどこかぶらつこうかな。」
若葉を巣で寝かせておき、私は外に出る。
朝の街は静かだ。
少々吹く風が心地良い。
流石夏って感じだ。
(そうだ、朝食を買っていこうかな。コンビニににでも行こうか。)
私はそう心の声で呟き、いつも行っているコンビニへと足を運んだ。
「いらっしゃいませー。」
朝早くからお疲れ様です。
確か若葉は、「甘酸っぱレモンブレッド」が好きだったはず。
ついでにレモンティーでも買っていこうかな。
それだけ若葉は、酸っぱい物が大好きって事。
私はいつものメロンパンをかごに入れる。
お、これ最後の1個じゃん。ラッキー。
私はそのメロンパンをかごに入れ、レジへ向かおうとした。
その時だった。
「おい、待てやコラ。姉ちゃん。」
「…ん?」
突然、後ろから呼びかけられた。
そこにいたのは、ガラの悪い男がいた。
「お前今メロンパンかごに入れたな?だがそいつは俺によこせや。」
「…は?何でです?」
「それ最後の1個だろ?俺が食いてえ時に取ったお前が悪い。」
なんか、メロンパン取った事で喧嘩売られたんだけど。
ここは言い返してみるか。それでもダメだったら…。
「…いや、あなたより先に私が食べたいと思ったんですが。違いますか?」
「あぁ?」
「それにメロンパンなんて、他のお店にも売ってるでしょ?ここのメロンパンを独り占めする気なんですか?」
私はそう強がって言い返してみたが、その男に言い返すのも安易ではなかった。
「…どうしても渡さねえなら、力ずくで奪ってやるよ。
それでおあいこだろ?」
……。
「…はぁ…。
何がおあいこなんだか…。」
「あ?」
もう私の感情は、怒りを通り越している。
我慢の限界が来ていた。
「…あんたみたいなのは、これ以上口出ししても何も進まない。
表に出ろ。」
私は、そう言って自動ドアの前にかごを置き、外に出た。
「…上等じゃねえか。」
「さて、てめえをさっさと殺して、メロンパン奪ってやるぜ!」
「…そう簡単にできると思わない事ね。」
私はそう言うと、鬼薙刀を構える。
もちろん鞘付きで。
マナーっていうのを教えてやろう。
あとがき
はい。Chapter2開始致しました。はい。
とりあえず、事件の真っ最中ですが、まだそれまでの準備という事にしています。が、コンビニで想定外のトラブルに…。
本来でもよくある日常茶飯事な事ですが、引き続き楽しんでいただけたらと思います。
登場人物紹介はその人物が登場してから書いておきます。それまでお待ちを。m(_ _)mペコリ
コメント一覧
メロンパンで殺し合いが始まったら命がいくつあっても足りませんww
チャプターからするとこのメロンパン男は仲間になるのでしょうか