「ただいまーー」
「父ちゃん、おかえりーー」
「約束のジブリのDVD、借りて来たぞーー」
「わーい! じゃあ、まず、『風の谷のナウシカ』見よう!」
「……あれ? そんなタイトルだったっけか?」
「えっ?」
「父ちゃん、間違えて『風の煮たの御主か?』借りて来ちゃった」
「父ちゃん、似てるようで全く似てないよ」
「ま、まぁ、他のは大丈夫だから」
「そう? じゃあ、『天空の城ラピュタ』見よう」
「……あれ? そんなタイトルだったっけか?」
「えぇっ?」
「父ちゃん、間違えて『関空の後ろ秋田?』借りて来ちゃった」
「父ちゃん、似てる似てないの前に、関空は関西にあるんだよ。後ろが秋田のワケないでしょ!」
「おー、そりゃそうだ」
「もういいから、『魔女の宅急便』見よっ」
「……あれ? そんなタイトルだったっけか?」
「またぁ?」
「父ちゃん、間違えて『マジの脱臼ジンッ!』借りて来ちゃった」
「僕さぁ、そのレンタルビデオ屋に火を点けに行っていいかなぁ」
「そんな物騒なこと言うな! 他にもあるぞ」
「じゃあ、『おもひでぽろぽろ』見せてよ」
「……あれ? そんなタイトルだったっけか?」
「父ちゃん?」
「父ちゃん、間違えて『友秀ぼろぼろ』借りて来ちゃった」
「友秀って誰だよっ! で、なんでぼろぼろになってんの!」
「それは見れば分かるんじゃ……」
「見たくねーよ!」
「他の見よ」
「じゃあ、『紅の豚』」
「……あれ? そんなタイトルだったっけか?」
「はぁ〜?」
「父ちゃん、間違えて『くれないの?煮豚?』借りて来ちゃった」
「明らかにタイトル長過ぎだよね?」
「まあ、2倍を軽く超えてるね」
「じゃあ、『耳をすませば』」
「……あれ? そんなタイトルだったっけか?」
「あのなぁ?」
「父ちゃん、間違えて『耳押す松葉』借りて来ちゃった」
「確かに1文字違いだよ! 今までで一番近いよ! でも、意味はカスってもいないよ!」
「まだ、あるよ」
「じゃあ、『もののけ姫』」
「……あれ? そんなタイトルだったっけか?」
「こんな短けぇタイトルでも間違うのかぁ!」
「父ちゃん、間違えて『物置姫』借りて来ちゃった」
「ヨドコウか? ヨドコウの回し者か?」
「まだ、もう1本ある」
「『千と千尋の神隠し』だよね?」
「……あれ? そんなタイトルだったっけか?」
「ぬがああぁぁぁーーーっ!」
「父ちゃん、間違えて『便と背広の髪か櫛』借りて来ちゃった」
「いよいよタイトルに意味がねぇじゃねぇか! いい加減にしろーーーーーーーーっ!」
あとがき
今日、「耳をすませば」だったもんで。
コメント一覧
キズだらけのローラー懐かしいー
「耳押す前歯」と松葉えちゃいましたー
途中で秋田けど
楽しめ真下
そんな流れで、イートイットと言う替え歌思い出しました!