ふつうではない

  • 超短編 364文字
  • 同タイトル
  • 2018年07月14日 07時台

  • 著者: 1: howame
  • 「りんごとミカンどっちが好き?」
    8歳年上の兄の輝夫が幼き頃のミチに聞く。
    「あのね、バナナ」
    すごいのが生まれたなと輝夫は思ったそうだ。

    あれからきっと60年くらいたった。

    息子のタロウが一緒にクリニックへ行ってほしいと言ってきた。
    ミチはなぜもっと楽しいところに誘ってくれないのか恨めしく思う。
         ⚘
    クリニックの医師は院長だというけど、
    ミチにはラクダのようにみえる。
    その顔でタロウの幼児期のエピソードを聞きながら、
    「不器用さが発達障害の特徴でもあるのですよ」という。

    ミチには自分の不器用さを受け継いだタロウのこの無能さが、
    なぜ発達障害というレッテルを貼られようとしているのが解せない。

    ただ息子は苦しんでいるのは確かだ。
    息子が発達障害ならこの私だってそうなのだろう。
    ふつうではなく生まれ、育つということはややもすれば苦しみを伴うものらしい。

    【投稿者: 1: howame】

    あとがき

    遅れに遅れました。

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    コメント一覧 

    1. 1.

      20: なかまくら

      難しい作品です。他人に障害と言われる筋合いはないのかもしれませんね。
      まわりのお節介、本人には迷惑なだけなのかも。
      けれども、本人が良くても、周りがそのために気を遣い続けないといけないなら、
      それは本人だけの問題にはならないのでしょうけれども、
      それに本人が気づけないから、それが問題なんでしょうね。


    2. 2.

      1: howame

      なかまくらさん。コメントありがとうございます。
      世の中には子どものことで苦労している人、社会に出て生きづらく感じている人はたくさんいるわけですものね。
      今作の、私もその仲間であるというこということですね。
      暗い作品になってしまいました。