彼の魅力はあの眼かな、と美弥子は思う。
美弥子が話しかけると真剣な目をして美弥子を見てくる。
物静かだ。質問には素直に答えているという感じで好感がもてる・・・
娘のミドリが付き合っている人にあってほしいと言ってきたのはつい最近。
大宮でまず食事をしようと言ってきた。
彼の職業がお坊さんだと言ったのは前の晩である。
「え、この前聞いたとき、一人で会社やっている人とか言ってたじゃない」
娘は幼少時からなんか問題になりそうなときは、うそをつく。
坊さんと結婚した人をふたり知っているが一人は離婚した。
ミドリもうまくいくのはフィフティフィフティかなと美弥子は思ってしまう。
★
「お掃除はできるんでしょうね」
この間ミドリが彼の家に行ったとき(住まいは庫裏というらしい)、
お料理を母親から教わったことがないとミドリが言った時、相手の母親から言われたらしい。
「お寺って朝はおそうじからはじまるのですか?」
私は彼に聞いてみた。
「お掃除するところでやっかいなのは葉っぱの落ちる季節くらいですよ」
葉っぱ・・・ミドリは大学時代、葉っぱの絵ばかり描いていた。
「ふたりは葉っぱつながりなのかもですね」と
美弥子は言ってみた。
カフェの食事は急に入らなくなった。
美味しそうに見えたのに。
かすかにお香のにおいがするこの青年との
結婚がうまくいかなかったら、
きっと私のせいかもと美弥子は思えてきた。
あとがき
同タイトルかけましたけど。
コメント一覧
シーンとなったカフェの店内が想像できてしまって
あぁ、これ本当にタイトルみたいな気分になるかもと
思ってしまいました。
ヒヒヒさん、コメントありがとうございます。
結婚て多かれ少なかれ違う環境で育っていた二人が、どういうわけかいっしょになるものなんですよね。
なるようになるものだと考えることにします。
なんだか二人の雰囲気に合わないお母さんの気まずい雰囲気が伝わってきました^^;
二人が幸せになれるといいですね。
なかまくらさん、こめんとありがとうございます。
私は子どもたちの結婚をずっと望んでいます。やっと見つけた彼ですのでうまくいってくれたらと思うのですが、私の育て方のせいで苦労するだろうなと思ってしまいます。
鬼手仏心
シガラミを断ち切れば
上手く行く
そんな感じに思われました。
鉄工所さん、コメントありがとうございます。
鬼手仏心なんて難しい言葉初めて知りました。
娘にとって自分を尊重してくれる相手に会えたことは、これからの生活が全然違うものになっても
やっていけるものなのでしょうかね。
あの……、まさか、これ、実話?
うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。うまくいく。
抗体言霊を飛ばしておきました。
でんでろさん、抗体言霊ありがとうございます。
これはほぼ実話です。
娘はわたしとちがって協調性があるし、社交的で素直で根性もあるから、もしかしたらやっていけるのかなと思います。
彼もいい人だし。
わ。面白かったです!
最後の一段落にたくさんの思いが詰まっているようで、美しい文章だなと思いました。
ラジコさん、コメントありがとうございます。それからお久しぶりです。私が超短編小説会に参加した時は、よく作品を載せていらっしゃいましたよね。これからもよろしくお願いいたします。