白紙の砂浜

  • 超短編 282文字
  • 日常
  • 2018年02月09日 21時台

  • 著者:1: 3: ヒヒヒ
  •  白い砂浜の端に膝を抱えて、打ち寄せる文字を眺めている。
     黒い水。手を差し入れると、手のひらにいくつかの文字が残る。

     愛
     勇気

     どうにも使いづらい。手のひらに文字を載せて波を待つ。波が愛と勇気をさらって、代わりに別の字が残る。

     フォーマルハウト
     事象の地平線

     意味が分からない。ため息をついた。
     小説を書くことができれば、退屈な毎日がちょっとは面白くなるのかもしれないと思って、この砂浜にやってきた。
     だけど打ち寄せる文字は、どれもこれもよくわからないものばかり。
     どうして世界はこんなに平坦なのだろう、そうぼやいたとき、一つの文が打ち上げられる。

     これがお前の心の中だ。

     打ちのめされた。

    【投稿者:1: 3: ヒヒヒ】

    あとがき

    次は何を書こうか、ちょっと迷ってます。

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    コメント一覧 

    1. 1.

      20: なかまくら

      書こうとすると、自分の内側を暴かれますよね。
      かっこつけようとしてもダメで、そんな感じがうまく表れている感じがします。