スター・ゲイツ・マテリアル

  • 超短編 415文字
  • 日常
  • 2017年10月09日 11時台

  • 著者:ちくたく
  • 解析されたWOWシグナルの指先は銀河の果てを示していた。そこに至るバックドアの存在も。そして、その門戸は極めて静謐に隠匿され、路地の奥に埋伏された。何故ならば、われわれの技術ではその重たい扉は開かれない。われわれの栄光のためには全ては塩漬けにする必要があった。なあに、いつか取り戻せばいいことさ。

    120年の時が経ち、路地を覆い尽くしていた竹林が枯れ失せたのちに、ネズミの群れの向こう側でそれは再発見されることとなる。まるで回顧展のような態度で、しかしながらふてぶてしくもみえるその扉は、メタファとしての重厚な門戸そのものであった。これがあのバックドアか。歴史的懐疑的遺産を目にして、おそらく発見者は心を震わせただろう。そうだ、そうやって大事なものはきちんと取り戻されるわけだ。

    それから、発見者により名前が与えられる。スター・ゲイツ・マテリアル。それがかのものの新しくも唯一の名前だ。そして、このとても奇妙なお伽話の主人公の名前だ。

    【投稿者:ちくたく】

    あとがき

    最近忙しいのと、年取って集中力ないので読書が遅いけど、SF読みたすぎるのです。

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    コメント一覧 

    1. 1.

      howame

      終わりのところが始まりになっていておもしろい終わり方ですね。


    2. 2.

      なかまくら

      なんですかこれ!
      超ワクワクするじゃないですか!
      美味しくて甘い飲み物を飲んで余計に喉が乾くみたいな・・・。
      バックドアの開き方はまだ分からないのかなぁ。


    3. 3.

      爪楊枝

      ちくたくさんらしい言葉の奔流ですね。
      始まりそうで終わっているというか、発芽したと思っていたら早送りのように花が咲いて枯れているような。
      いつもながら、独特の読み味がするなぁと感じた次第です。