カツ丼

  • 超短編 179文字
  • ジョーク
  • 2017年08月27日 09時台

  • 著者: 収束
  • だしの香りを柔く包んだ湯気が鼻腔を抜けた。

    鮮やかに明るい鶏卵の黄色がみりんの水飴をまとって健気に輝いている。
    その下で顔を覗かせるカツは少しばかり玉子に隠れていながらもしっかりと胸を張りこちらを伺っているようだった。

    くる、とお腹が控えめに声をあげたのでこらえきれず箸へ手を伸ばす。伸ばしたが、途中で自分を制御しその手を戻した。両手を合わせる。

    「いただきまーす」

    【投稿者: 収束】

    あとがき

    極短編どころか200字にも満たない文章で投稿してしまう罪悪感があるのですがこれ以上の描写は蛇足になりそうなので……
    先日あるグループで「カツ丼をベースに文章だけで飯テロをして」という会話があったのですが誰も投稿せず私一人が投稿する勇気も出せなかったためここで供養させていただきます。

    Tweet・・・ツイッターに「読みました。」をする。

    コメント一覧 

    1. 1.

      1: 9: けにお21

      飯テロ小説!!

      ダイエットを開始した僕にとって、この親子丼は目に毒。

      カツが胸を張り、こちらを伺うってどんなんだw

      楽しかったです!


    2. 2.

      尾長

      深夜だというのに…見てしまいました…。
      決めました、明日はなか卯行って親子丼食べます(え


    3. 3.

      20: なかまくら

      そうそう、いただきます、ちゃんと言わなくちゃ、ですね。
      それにしても、美味そうだ。
      視点を変えて、いろんな人と、カツ丼でも面白いですね。


    4. 4.

      結城沙月

      短く纏めて、最後になるほどと思わされました。
      一番最後にいただきまーすを持ってくるのが、感慨深くなりました。
      言葉の使い方も上手ですね。