彦星「天帝様、お願いがございます。今年から織姫と会うのやめていいっすか?」
天帝「彦星よ、どうしたと言うのだ? お前と織姫とは、あれほど愛し合っていたではないか? 仕事もせずに、毎日二人で会っては、話ばかりしていたではないか?怠け者になった二人に見兼ねた私が、二人を引き離し、年に一度だけの7月7日だけ会わせることにした、と言うのに」
彦星「もう、織姫のこと良いんすよ。」
天帝「何があったのかは知らぬが、・・・」
申丸師匠「さて、最後に天帝が言った言葉を考え、天帝と彦星の会話を完成させてください。出来たら手を上げ、発表してください。私が彦星役で『もう、織姫のこと良いんすよ。』と言いますから、続けて『何があったか知らぬが・・・』と天帝の会話を、自由に続けてください。それでは始めます。はいっ、出来た方いませんか?」
Don卓「はい!」
申丸師匠「はい、Don卓さん。」
彦星役の申丸師匠
「もう、織姫のこと良いんすよ。」
天帝役のDon卓
「何があったのかは知らぬが、お前たちが7月7日の七夕に会ってくれないと、ワシがひじょーに困るのだ。昨日スーパーで、笹の葉と折り紙の入った七夕セットを買って、願い事も決めている。七夕なくなれば、ワシの願いどーしてくれるんだ。なあ、頼むから、織姫に会ってやってくれよお〜」
会場「どおおお」
申丸師匠「山田くん、Don卓さんに座布団二枚持ってきて!」
したり顔のDon卓。
tund羅「はい!」
申丸師匠「はい、tund羅さん。」
彦星役の申丸師匠
「もう、織姫のこと良いんすよ。」
天帝役のtund羅
「何があったのかは知らぬが仏。仏の顔も三度まで。その点、ワシは天帝。仏よりもずっと偉いので知っている! 実は、先日織姫から相談を受けたのだ。ときに彦星よ、昨年の七夕に、ヘベレケの泥酔状態で織姫に会いに行ったそうだな? 酒くさいあまり、織姫は思わずお家に帰りたくなり、『明日の朝、早いのでもう帰る。』とついお主に嘘を言ってしまったそうだ。ワシも酒臭い男は嫌いだから織姫の気持ちよーく分かるぞ。ここまで織姫は悪くない。さて、織姫にそう言われたお主は大層オカンムリで、酒臭い息と唾を、織姫の顔に撒き散らしながらこう言った。『年に一度のお楽しみ。それをなんたる仕打ち。遠路はるばるやって来た俺の気持ちどうなる?織姫もう嫌い、もう金輪際会わん!そして、今回の逢引のために掛かった交通費と要した時給を今すぐ耳を揃えて払え!』。おい、彦星! 酔った勢いがあったとしても言い過ぎじゃないか?。そもそも酒飲んで女に会うなんて、失礼過ぎるだろ!それに、追撃で言うことが世故い。ま、織姫の相談とは、天帝であるワシに、彦星とのこじれた仲を取り持ってもらいたく、お願いしに来たというわけさ。お主、織姫は七夕に備え、毎年どれだけ美容に・・」
申丸師匠「もういい!もういい!これ以上、夢がない話は聞きたくない。しかも、お前話長いし、説教じみてるし、犬も食わないような恋人同士の戯言喧嘩なんて誰も聞きたくないわ。山田くん、tund羅さんの座布団全部持って行って!」
tund羅「そんなあー、申丸師匠。自由に作れと言ったじゃないか?」
申丸師匠「自由、過ぎる!」
山田君は、tund羅さんの居座る座布団を無理やり引き抜いた。
転げるtund羅。
会場「どおおお」
鶴一「ハイ!」
申丸師匠「はい、鶴一さん!」
彦星役の鶴一
「もう、織姫のこと良いんすよ。」
天帝役の鶴一
「何があったのかは知らぬが、彦星君、君は『文字』という漢字を知っているか? まず、文の『×』は争いごとだな。争いごとを上から、鍋ブタで塞ぐと、『文』になる。そして、騒ぐ子供をウ冠で塞ぐと書くと、『字』になる。それが『文字』の由来だ。彦星と織姫は、言い争い、騒ぐ子供のようなもの。『文字』に習い、一時の感情を押さえて、立派な『文字』となれ! そうでなければ、いつまで経っても、文字も一人前に書けない子供のままで、大人の恋愛は出来ないぞ。いいか彦星、『文字』になるのだ!」
鶴一は、ニヒルに笑った。
会場「しーん」
申丸師匠「何を言ってるのか、まったく意味が分からない。山田くん、鶴一を会場からつまみ出せ!」
マッチョな山田君に担がれ、テレビ番組『笑線』の会場を後にする鶴一
「やめてー、助けてー、申丸ししょーもっと、『文字』な対応をしてよー」
会場「どおおお」
今日一番の大受け、だったそうだ。
コメント一覧
世間は台風ですが
確かに、文字があるからこそ、会話より穏やかに自由になれますね!
今年の七夕は、晴れて天の川でも撮りたいです。
感想ありがとうございます。
最近、自由にはまっています!
しかし自由と言っても、思い通りに描けるものとそうじゃないものとがあります。
思った通りに絵は描けないし、会話もそう上手じゃないし、カラオケも下手。
そんな僕にとって、文字ならまだ自己満足レベルには表現できる、ってことで文字を選び、縛りの少ない小説を書いています。
今、僕は石川県にいますが、町の中のあちらこちらに大きな竹をおっ立てて、大きな飾り物を付けています。
関西にいる頃は、七夕がどうした?ってなもので、どこいく風でしたが、石川県はけっこう趣きがあって七夕ムードです。
満喫したいと思います!