世界は本棚で満ちている。とうとう増殖を止められなくなった本たちは自助としての組合を作り、やがては巨大な本棚の建築に着手する。もちろんそれはさいしょの頃はちょっとした小作りなものでしかなかったが、やがてその支配的な繁殖力とともにバベルの塔を形成する。本棚の。しかしながら、もはやその繁殖は本棚の範疇を超越し、その結果、横に寝た本どもが増え、だからそれらの交わる確率は増え、故に繁殖は促進され、やがてはこの星を覆い尽くすまでになる。この星は覆い尽くされる。
あとがき
本が増殖しています。
コメント一覧
本が生き物のように意思をもって、本同士で交わって、子供を作る?
棚に収まらなくなって、棚を増築工事する。
面白い発想でした!
読書って、ハマると次々読みたくなって、本が増えていきますよねー、置き場に困ります。
本は何を食べるのでしょう。
人間が本から得た知識を自分の血肉として生きるように、
本もまたどこからか得た知識を食べて生きるのですかね。
妙な目と手足のついたファンシーな姿を想像して、可愛いなぁって思いました。
地球が本で埋もれて、活字から逃れられない世界を私は理想郷とよびます