サンタが与えたもの ~ season2 ~ 第一夜

  • 超短編 692文字
  • シリーズ
  • 2018年12月24日 00時台

  • 著者: 3: 寄り道
  • 【前回までのあらすじ】
     クリスマスを1週間後に迫った17日に、交通事故で意識不明となった彼女こと枡野愛。
     枡野の意識を取り戻すべく、祈るために寄った教会で、サンタクロースと名乗る白髭の爺さんと出会う。 
     そして、そのサンタクロースと手により、栗栖聖也自身の命と引き換えに、枡野の意識を取り戻したが、記憶を喪失していた。
     さらに、栗栖の胸には銃痕が。
     そんな意識を取り戻した枡野に近付いたのは、暴力が原因で別れた、黒井三太だった。
     そして、黒井こそが、自身の胸に空いた銃痕の原因であることを、サンタクロースから伝えられる。
     栗栖聖也の運命やいかに・・・

     枡野愛の退院日。
     栗栖聖也は隣にいたが、誰も気づかない。
     そしてもう一人、隣にいたのが黒井三太。
     黒井は、年を跨がずにして、サンタクロースとの契約を破ったために、妻とは離婚していた。
     が、それもこれもこの日のためだった。
     幸運なことに、枡野は記憶を喪失しており、自分が彼氏だと騙すこともできた。
    「お大事に」と主治医と担当ナースに言われ、枡野とその両親、それに黒井が病院を後にする。
     栗栖は、何食わぬ顔で、両親に挨拶する黒井の姿を思い出し、また怒りが込み上げてくる。
     枡野の自宅のアパートを前に、一つのことを思い出す。
     枡野の自宅には、栗栖と撮った写真が飾られてある。もしそれを見たら、栗栖のことを思い出すかもしれな。
     しかしそんな希望もすぐに消え去った。
     部屋には、栗栖と撮った写真は愚か、写真といえるものが何一つ飾られていなかった。
     たぶん、黒井が事前に写真を処分したのだろうと、予想がついた。
     今すぐに殴ってやりたいがそうは行かず、それから何もできないまま幾日が過ぎた。

    【投稿者: 3: 寄り道】

    あとがき

    1年前に投稿した『サンタが与えたもの』の続きです。
    前回は書き終えたときに、続きは思い浮かばず、そのまま時が過ぎ、大まかな案が思い浮かんだのは夏ごろで、夏にクリスマスのことを投稿しても、季節外れだなあ、と思い、それなら今年のクリスマスに投稿しようと思いました。
    前回のあらすじは書きましたが、まだ読んでいない方は、まずそちらから読んでいただけると、作者冥利に尽きます。

    意見や感想、お待ちしております。

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