もうすぐ始まる

  • 超短編 527文字
  • 同タイトル
  • 2018年03月31日 23時台

  • 著者: ミチャ寺
  • 「みなさん。いよいよ明日が運動会です」

    * * *

    みんなワクワクしながら朝倉先生の話を聞いている。それが運動会への期待から来るものなのか、もうすぐ帰宅できることから来るものなのかは分からないが、視線が一点に注がれている様子をは団結したように見えて面白い。
    先生もそれが嬉しいのか、笑顔で言葉を続けた。
    「明日の本番に向けてしっかり休んでもらいたいので…
    なんと、今日の宿題はひとつだけ!今晩は早く寝て、明日元気に登校してください!」
    おおぉ、と歓声が上がり、先生は得意げにしている。
    小学校に入学して早半年、これまでこんな事があっただろうか。
    明日は運動会。練習に練習を重ねた成果を発揮する特別な日。
    家に帰ってもそのドキドキは止まらない。夕飯の食卓にはトンカツが並んだ。
    「幸希が明日頑張れるようにね」
    母が言うには「カツ」と「勝つ」をかけたエンギモノらしい。イマイチよく分からなかったが、激励の気持ちは嬉しかった。
    言い表しようのない特別感は、夜になっても溢れるように湧いていた。
    この目を閉じ、眠りについたあかつきには、もう特別な1日は始まってしまう。
    そう思うと緊張して中々寝つけなかったが、唯一の宿題故、ぎゅっと目を閉じた。
    夢の先に、今宵の先に。特別な1日が
    もうすぐ 始まる。

    【投稿者: ミチャ寺】

    あとがき

    滑り込み投稿です。
    タイトルがもうすぐ始まるだと言うのに、このあとがきに筆を走らせる目の前で3月がもうすぐ終わりそうになっています。
    3月さんもうちょっと待ってください今あとがきでシャレたことを考えてるから
    もうちょっと、あっ、あぁぁ…
    時間が無いですね。今回は断念します(笑

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    コメント一覧 

    1. 1.

      1: 9: けにお21

      明日の運動会が「もうすぐ始まる!」を強く感じました。

      子供のころ、僕もそうだったかも。


    2. 2.

      20: なかまくら

      もうすぐはじまる! というわくわくは前日から始まるんですよねぇ
      そして、なかなか眠れないんですよね(笑


    3. 3.

      1: 3: ヒヒヒ

      明日が楽しみで眠れない。あぁ、そんな時代があったなぁ(遠い目)
      そのトンカツを、いつか懐かしく思い出す日も来るんだろうなぁ。

      ……シャレたこと、たぶん寝ようとした瞬間に思いついたりしますよ(謎予言


    4. 4.

      でんでろmk2

      「祭りは始まる前が一番楽しい」
      って言いますからね。