初めてのG級クエスト

  • 超短編 2,266文字
  • シリーズ
  • 2017年10月16日 00時台

  • 著者: リオン
  • ※この作品は以下の内容が含まれています。ご注意ください。
    ・姉弟愛
    ・グロテスクな内容
    ・モンスターが喋る
    ・適当な文章

     僕はカルム。ハンターだ。
     僕には、二つ上の兄と一つ上の姉がいた。
     兄のミロルと、姉のアシナ。
     もちろん、僕は末っ子だ。
     僕がハンターになった頃、兄達は僕が一人前になれるよう、キークエストを手伝ってくれた。
     未熟だった僕を熱心に教え、僕はG級まで辿り着いた。
     集会酒場…。
     「今日からお前もG級ハンターだな。おめでとう。」
     「カルム、おめでとう。」
     「ありがとう。これもお兄ちゃん達が手伝ってくれたおかげだよ。」
     「なぁに、兄ちゃん達はお前が一人前になれるようにやってやっただけだ。礼なんていらねえよ。」
     「さて、カルムもG級になったものだし、キークエストといきましょ!」
     ミロルお兄ちゃんとアシナお姉ちゃんは、昔から僕に優しくしてくれたお姉ちゃんだ。
     僕は、そんな二人が大好きだった。
     「まずどれからやるかな…。お、イャンクックなんてどうだ?キークエストだし。」
     「うん!やりたい!」
     「でも気を付けてね、カルム。G級は甘くはないわ。警戒心と勇気を持たないとね。」
     「うっ…、うん!」
     僕は初めてのG級クエストで、少し心配性になりかけていた。
     G級になれば、並みの装備じゃクリアできないクエストもある。
     そう思いながら狩りに臨まないと。

     さあ、目的地となるフィールド・遺群嶺だ。
     ここが、イャンクックを討伐する場所となる。
     ちなみに、それぞれ装備が何かと言うと、この通りだ。

    ・ミロル
    武器:滅斧ダークライド(スラッシュアックス)
    防具:バルクXシリーズ
    狩猟スタイル:エリアルスタイル
    狩技:トランスラッシュⅢ

    ・アシナ
    武器:ガオウ・クオバルデ(ヘビィボウガン)
    防具:ジンオウXシリーズ(防具合成のため、見た目はキリンRシリーズ)
    狩猟スタイル:ブレイヴスタイル
    狩技:火薬装填Ⅲ

    ・カルム
    武器:歴耀剣クレテシア(片手剣)
    防具:ゼクスSシリーズ(頭だけは隼刃のピアス)
    狩猟スタイル:レンキンスタイル
    狩技:ラウンドフォースⅡ(Ⅲだとミロルを飛ばしてしまうため)、ブレイドダンスⅢ、昇竜撃Ⅲ

     さて、イャンクックを探す所から続けよう。
     僕は遺群嶺に来るのが初めてだったので、お兄ちゃん達に着いて行った。
     「どの辺だったっけなぁ…。久々に討伐するとなると、最初の居場所も記憶にないもんだ。」
     「まあね…。カルムがハンターになる前に、私達だけでクエストをどんどん達成しちゃったもんね。」
     「僕がハンターになる前…?」
     「ああ。ざっと1年半くらい前かな。」
     そんなに前なんだ。
     …と、そうこうしている間に…。

     「あ、イャンクック!」
     「本当ね。まずはペイントボールを…!」
     お姉ちゃんはポーチからペイントボールをイャンクックに投げ付けた。
     ちなみにペイントボールとは、主に大型モンスターに当てると、その匂いでモンスターの居場所がわかる。
     いわゆるマーキングだ。
    ペチッ!
     「んー?」
     イャンクックは腑抜けたように振り向くと、僕達に視線が入った。
     「あ!ハンター!」
     「よおイャンクック!さあて、今から討伐開始と行こうかな!」
     お兄ちゃんがそう言うと、僕達はそれぞれ武器を構えた。
     「僕と戦おうっていうの?面白い。かかってこい!」
     「アシナ!カルム!行くぞ!!」
     「ええ!」
     「うん!」
     お兄ちゃんの指示で、僕達はイャンクックに向かって攻撃を始めた。

     「はっ!せやぁっ!」
     「てぃっ!やぁっ!」
     お兄ちゃんはイャンクックの頭部に、僕は脚を狙った。
     お姉ちゃんは遠くからイャンクックの頭部を狙って撃ち込んだ。
     「でぃやー!」
     「お姉ちゃん!」
     「わかってる!」
     イャンクックはお姉ちゃんに向かって、滑空攻撃をした。
     お姉ちゃんはブレイヴ専用のイナシをし、下がりながらイャンクックの攻撃を避けた。
     「ほぅ、イナシを使うとは、なかなかやるねぇ。」
     「私はこういうのには慣れてるからね。甘く見ないでよね!」
     「俺達も行くぞ。カルム!」
     「わかった!」
     お兄ちゃんがそう言うと、僕はイャンクックの方へ攻めた。
     お兄ちゃんはエア回避でジャンプ攻撃をし、僕は地上で頭部を攻撃する。
     「おりゃあぁぁあっ!!」
    ザシュッ!
     「貰った!」
     「何…!?くっ!」
     イャンクックがダウンすると、お兄ちゃんはイャンクックの背中に乗り始めた。
     「くそっ!離せ!」
     イャンクックはお兄ちゃんを振り払おうと暴れる。
     しかし、お兄ちゃんはそう簡単に落ちる事はなかった。
     お兄ちゃんはああ見えて、モンスターに乗る経験が多いプロだったから。
     「転けろ!」
     「うわあぁっ!」
     お兄ちゃんが乗り終えると、イャンクックはダウンした。
     「兄さん、ナイス!カルム、行くわよ!」
     「うん!さあイャンクック、覚悟ー!」
     「この…!なめやがってえぇ…!」
     イャンクックを切り刻み、やがてイャンクックは立ち上がった。
     「くっ、これは逃げないと…!」
     「逃がすかよ!」
    ザシュッ!ザシュッ!
     お兄ちゃんはエア回避で前進しながら、ジャンプ攻撃を繰り出した。
     「『ラウンドフォース』!!」
    ザシュウゥッ!
     「うぎゃおぉぉぉおっ!」
     イャンクックは叫び上げると、その場で倒れ込んだ。
     「そんな…!こんなハンターなんかに…!」
    バタッ…
     イャンクックは目を閉じ、死んだ。
     「よし、討伐成功だ!」
     「やったー!」
     「初めてのG級クエスト、達成ね。」
     「まあ、所詮イャンクックだ。こんなもん楽勝さ。」
     お兄ちゃんがそう言うと、僕達は笑い合った。
     初めてのG級クエストだったけど、お兄ちゃん達がいたから、早く終えれた。
     僕はまだ未熟なままだけど、これからお兄ちゃん達をびっくりさせるように、強くなる。
     そう思えたんだ。

    【投稿者: リオン】

    あとがき

    今回から新しい物語を書きました。「モンスターハンター」です。名前とかは自分で考えました。ミロルお兄ちゃん、アシナお姉ちゃん、カルム君の三人兄弟がハンターになり、カルム君のG級クエストを進める感じの物語です。個人的にアシナお姉ちゃんが好きですね(笑)
    モンスターハンターは自分が大好きなゲームなので、皆さんにも楽しく読めるような小説にしていきたいと思います。新シリーズをどうぞよろしくお願いいたします♪

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    コメント一覧 

    1. 1.

      20: なかまくら

      経験のないものが、経験のある仲間に導かれて、強くなっていく・・・。
      RPGの王道ですね。彼らの前に、どんな難所が現れるのでしょうか。


    2. 2.

      リオン

      なかまくらさん》
      コメントありがとうございます♪
      カルム君はまだ初心者ですからねぇ…。それを支えるミロルお兄ちゃん、アシナお姉ちゃんは本当にいい兄と姉です。
      ここから、カルム君の知らないG級の世界が始まります。お楽しみに♪