香りたつ風が
街かどを曲がる
西洋カボチャの色合いで
小さい花が
秋を深くする。
*
ふと目が覚めた
白く滅菌なICU(集中治療室)
ベッドサイドモニターの音
腕や
胸
お腹に
その他
…
赤紫の皮膚の
身体じゅうから繋がる管(ホース)
流量を調整するデジタルの機器類
点滴の雫が複数落ちる
ポトリ ポタポタ
ひとつ
ふたつ
みっつ
悲しみの泪か
それとも?
努力の汗か
なぜだろう
不思議と後者にしか見えなかった
だって…あまりにも点滴が賑やかだ
廊下の向こう 差し込む日光に雫が輝き
涙と言うか
希望の光にしか見えなかった。
モニターのバイタルサインに
少し不規則な波形
とは言え不安はまだ元気な証拠
重症から目覚めるとそれを考える術もない
即ち真の底辺には不安はないとAndroidは実感した。
金木犀@鉄工所
あとがき
例えば
不安なニュースが多い
…実は不安なニュースばかり読んでいる。
安心安全なんで誰かが言うけど与えれる物でなく、自分が実感する事だ
自分も、色々あるけど基礎疾患があるから当たり前で、そう言うものと諦めた
将来不安と自分の運命を天秤にかけたら
将来不安が軽かった。
心も軽くなった気がした
だから、涙を何に見立てるか?
生死を決めるのは
その人なりの考えだ。
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