prologue バイオハザード

  • 超短編 1,713文字
  • シリーズ
  • 2017年09月16日 22時台

  • 著者: リオン
  •  心地よい風が吹く中、少年少女達は野原にいた。

     翔「気楽だなぁ…。毎日こうだと嬉しいよ。」

     少年である原谷 翔(はらや しょう)は、野原に寝転がって呟いた。

     啓太「翔はいつもそうだよな。流石は自由人ってとこだぜ。」

     隣で座っていた翔の友達・茅野 啓太(かやの けいた)が呟いた。

     翔「まあいいじゃん。こういう休みの日ってあまりないし。」

     啓太「そうかもな。俺だって毎日楽しんでるからな。」

     舞依「啓太が言える立場なの?それ。」

     翔の幼馴染みの遠藤 舞依(えんどう まい)が突っ込む。

     翔「舞依、気にしないで。啓太はこういう子だから。」

     啓太「おい、翔…!」

     翔「だっていつもの事でしょ?」

     翔は平然としながら、啓太の事を舞依に語りかけた。

     啓太「おいぃ…!久玲亜も何か言ってくれよ ~…!」

     久玲亜「ん~?」

     寝転がって携帯を見ていた橋本 久玲亜(はしもと くれあ)。

     久玲亜は啓太の彼女である。

     翔「啓太~、いつまでも彼女さんに頼っちゃダメだよ?」

     啓太「…るせぇな!久玲亜が彼女だからって毎回頼ってる訳じゃねえし!」

     久玲亜「もぉ~、啓太ぁ、冷静になりなよ~。」

     啓太「久玲亜…!」

     啓太は彼女である久玲亜に中学校の頃から頼ってばかりだった。

     しかし久玲亜は、そんな啓太を気にしていない。

     舞依「でもまぁ、皆仲が良くていいよね。まるで小さい頃から知り合ってるみたい。」

     翔「舞依、僕と君は幼稚園から一緒でしょ?」

     舞依「あ、そうか。」

     啓太「はぁ…、まあせっかくこうやって皆いるからさ、こうやって気楽に過ごしていこうぜ。」

     久玲亜「うん、それな!」

     四人は笑い合った。


    ~その夜~

     外には滝のような大雨がザアザアと降っていた。

     翔(うひゃあ…、酷い雨だなぁ…。)

     翔(父さんは一週間出張でいないし、母さんも友達の子供の成人式行っちゃったし、妹は夜練で遅くなるし…。)

     翔(今夜は僕一人か…。)

     原谷家は、翔一人だけだった。

     翔には一つ年下の妹が一人いて、バドミントン部に所属していた。

     今日は夜練でいない。

     それに対し翔は文芸部だった。

     運動神経は妹の方が断然上だと、翔自身はそう思ってる。

     翔(…のんびりテレビでも見てよっと。)

    ピッ

     キャスター『緊急速報です。今夜7時に〇〇市で、ミサイルが発射され、爆発が起こりました。』

     翔「…!?」

     翔がテレビをつけると、ニュース速報が映り出した。

     画面の奥は、何か様子がおかしくなっていた。

     キャスター『ミサイルの中身には、青黒いガスのようなものが入っており、非常事態となっております。』

     生中継キャスター『こちら〇〇市です!現在向こう側から飛んできたミサイルが爆発を起こし、ガスが発生しています!』

     生中継キャスター『一般の人達は、すぐに避難してください!』

     翔「何これ…!?」

     画面には、青黒いガスが映り出されていた。

     何かで見たことがある…。

     キャスター『たった今、情報が入りました。』

     キャスター『ミサイルの中に入っていた青黒いガスは、「C-ウイルス」というウイルスであり、感染すると無差別に人を襲うようになります。』

     キャスター『C-ウイルスが浄化するまで、安全な場所へ避難してください。』

     翔(C-ウイルス…!?)

     C-ウイルス。

     それは人をゾンビやモンスターに豹変させるガス。

     下手すれば、死に至るものだ。

    ピロリンッ

     翔(…!LINEだ…。)

     突然、翔の携帯からLINEの通知音が鳴った。

    啓太<翔!今どこにいる!?

     翔(啓太からだ…!)

    翔<自宅だよ。啓太、これってもしかして…。

    啓太<お前もニュース見たのか!これは多分、バイオハザードだ!

     翔「え…!?」

     翔(バイオ…ハザード…!?)

     そう、バイオハザードだ。

     現実ではありえない、バイオハザードが発生したんだ。

    舞依<ミサイルがこっちに来る!逃げて!

    ドッゴオォーーーンッ…!

     翔「…!今のは…!?」

     奥から爆発音が鳴り響いた。

     翔はカーテンを開けると…。


     翔「嘘だろう…!?」

     外には、町が燃え上がっていた。

     先程の爆発のせいなのか。

     翔「両親は…?千織は…!?」

     翔は慌てて家族に着信を送る。


     翔「くそ…!何で繋がらないんだよ…!」

     何度試しても、家族の一人すら通話に出なかった。

     翔(…。こうなれば、外に行くしかない。)

     翔(無事を確かめに行くんだ。)

     翔はそう思い、外へ走り出した。

    【投稿者: リオン】

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    コメント一覧 

    1. 1.

      20: なかまくら

      おおー!
      新作ですね!
      今までのリオンさんの作品とちょっと違う雰囲気がありますね。
      どうなって行くのか分からない緊張感がありますね。
      大変だと思いますが、続き待ってます!!


    2. 2.

      リオン

      なかまくらさん》
       コメントありがとうございます♪
      ちょっとオリジナルのバイオハザードの小説を書いてみました♪果たして、翔君達は生き延びれるのか。続きもこれから頑張ります!