水島家2

  • 超短編 1,945文字
  • シリーズ
  • 2017年07月28日 10時台

  • 著者: リオン
  • ※水島家1の続きです
     保安官補佐さんからナイフを受け取り、ガレージへ向かった。

     ガレージのシャッターは閉まってあり、側にボタンがあるが、テープで塞がれていた。

     私は貰ったナイフでテープを切り、ボタンを押すと、シャッターがゆっくりと上がっていく。


     麗奈「あの!こんな所早く出ましょう!」

     保安官補佐「いいか、まずこんな夜中で独りで何をしているのか説明しろ。」

     保安官補佐さんは何故だか私がここにいる理由を聞いてきた。

     麗奈「私が?あなたもでしょ!?」

     保安官補佐「俺は仕事だ。いいか、本当の事を話すんだ。質問に答えろ!」

     私はどうしたらいいのかわからず…。

     麗奈「…言っても信じる訳ありません。」

     保安官補佐「答えろ。」

     そうこうしている間に、保安官補佐さんの後ろのガレージのシャッターがゆっくりと閉まっていく。

     保安官補佐「おい、シャッターを閉めるな。待て、閉めるんじゃない!」

     麗奈「待って!ダメ!!」

    ザクッ!

     保安官補佐さんはどうにかしようとしたが、後ろから頭を切り裂かれた。

     保安官補佐を切り裂いたのは、スコップを持った脩司だった。

     脩司は倒れた保安官補佐さんをスコップで何度も叩き切り、最後には蹴飛ばしてしまった。

     脩司「仕方ない、お前もここで殺してやるとしよう。」

     脩司はスコップを捨て、今度は棚にあった斧を持った。

     ナイフ対斧では、圧倒的に斧が勝ってしまう。

     私は逃げ回る。


     机に近付くと、鍵らしき物を見付けた。

     それは、私の車のキーだった。

     辺りをよく見てみると、私の車が一台、ガレージに残されていた。

     一目散に車に乗ると、私はすぐに車のエンジンをかける。

     アクセルを踏み込むと、前方にいた脩司を無惨に轢きずった。

     ナイフよりかは立ち回りがしにくいが、車で轢きずった方が何倍も強い。

     脩司を何度か轢くと、彼の姿はなかった。

     彼を轢いた感触もない。

     辺りを見回してみると…。


    バキッ!

     車の天井が剥がされ、脩司が乗ってきた。

     麗奈「…!くそ!」

     脩司「いい車持ってるじゃねえか。」

     脩司は私の右手を掴み、無理矢理ハンドルを曲がらせる。

     脩司「どこで運転を覚えた?」

     抵抗しても、なかなか振り払えない。

     麗奈「くそ!」

     やがて動きが止まると…。

     脩司「もう終わりにしよう、俺達で。」

     いきなりバックさせられた。

     脩司「いいな、一緒にドライブ楽しもうぜ!」

     前方には、積み重なれた鉄骨があった。

     麗奈「ちょっと、何してるの!?やめて!!」

     脩司は思いきりアクセルを踏み込んだ。

     私はブレーキを踏んでも、車はびくともしない。

     そして、車と共に鉄骨へ突っ込んで行く…!

     麗奈「やめろおぉぉぉぉおッ!!!」

    ズッドーーーンッ!!!


     麗奈「うぅ…。」

     鉄骨は避けれたが、私の手には沢山の血がこびりついていた。

     助手席を見ると、胸元に鉄骨が刺さり、血を流して倒れていた脩司がいた。

     私はすぐに降りると、車の下にハンドガンがあった。

     私は手を差し伸べてハンドガンを取ると、突然車が燃え出した。

     そして…。


     脩司「おいおい何しやがる。どうしてくれるんだよこのクソ野郎めが。」

     倒れていたはずの脩司が起き上がった。

     そして、私に近付いていく。

     私は取ったハンドガンを脩司に撃ち込むが、脩司はびくともしない。

     そして…。


    ガシッ!

     麗奈「うあッ!」

     頬を掴まれた。

     私は抵抗するが、明らかに彼の方が力が強かった。


    ドーーーンッ!

    ズッドオォーーーーンッ!!

     車が爆発し、脩司は爆発に巻き込まれ、倒れた。

     どうやら助かったみたい。

     私はガレージの中にある梯子を上ろうとすると…。


    ガシッ!

     麗奈「…!?」

     脩司が起き上がり、右手を掴まれた。

     それに、右手にはハンドガンを持ってるっていうのに…。

     脩司「いいか、しっかり見ておけよ。今から面白いものを見せてやる。」

    バンッ!

     脩司はそう言うと、銃口を自分の口の中に向け、撃った。

     麗奈「そんな…。」

     再び脩司は倒れ込むと、今度こそ私は梯子を上った。


     ガレージにあった「半獣のプレート」を手にし、メインホールへ向かった。

     これはもしや、メインホールを開けるための鍵らしき物だと思い込んだ。


    プルルルルル…。

     メインホールに入ると、電話が鳴り出した。

     私はかけてみる。


     諒(電話)『親父にいじめられたか?』

     麗奈「父親なの?」

     諒(電話)『昔はな。』

     やはりそうか。

     愛梨も「親父」って言ってたから、脩司は父親だと思ってた。

     麗奈「残念だけど、奴はもう死んだわ。」

     それを聞いた諒は少し笑った。

     諒(電話)『お前ならできるかもな。』

     麗奈「え?何の事?」

     諒(電話)『やってもらいたい事があるんだが、今は話せない。』

     諒(電話)『鍵が必要かもしれないが、とにかくこの屋敷から出てくれ。』

     麗奈「わかった。」

     諒(電話)『じゃあ、気を付けて。』

    ガチャッ

     諒から言われた通り、私は屋敷を出る手段を考えた。

     屋敷の鍵って、どこにあるのかしら…?

    ~水島家 end~

    【投稿者: リオン】

    あとがき

     お待たせしました!水島家2です。
    もう本当何書けばいいのかわからないもんですね。(笑)
     次回は主人公麗奈の弟・冬斗が登場する「冬斗のビデオテープ」です。お楽しみに♪

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    コメント一覧 

    1. 1.

      20: なかまくら

      まって、脩司強すぎですww
      なんか、まだ死んでないような雰囲気ですしww
      彼はいったい・・・


    2. 2.

      リオン

      なかまくらさん》
       コメントありがとうございます♪
      脩司強いですよねw彼は何者なのか、次はどうなるかはこの先の作品でわかります。お楽しみに♪