小さな指輪

  • 超短編 2,094文字
  • 同タイトル
  • 2017年07月04日 03時台

  • 著者: 1: 鉄工所


  • 「聞いとけよ!バカヤロウ!!」

    同級生で特捜班長の義明に激怒する

    ボロ雑巾の飛沫と共に

    体育館にその声がこだました

    「冷てぇ…」
    「馬鹿野郎って〜そこまで…」

    義明の声が聞こえた


    各クラスの図書委員会集会

    言葉悪いけど… バカヤロウは半分冗談だ

    「先輩方との作業になるんだぞ、俺らだけの仕事じゃないんだ!適当こくなよ」

    先輩が横で頷いていた

    社会に出るとリーダーの責任とはそんな物で
    聞いて無いと言う発言では済まされない

    「聴けよ!」よ言う事だ
    …と聞いている。

    後輩はさて置き先輩の放課後の予定もある、ましてやミクロン単位の指輪を探す作業となる。

    今後の予定と国渣はとても大切だ
    日頃の放課後の掃除とは訳が違う

    真剣さが足りないんだ、何時も此奴は…
    心の中では何時も受け身な義明を心配している

    男の責任感は大事だ

    昔は女の腐ったのとか言われたが
    今で言えば 男の腐った奴だ!になっちまう

    このままじゃ、興業的に留年だ

    後輩で洋裁科の芳美がクスッと微笑んだ



    雨に濡れた床ワックスの匂いが
    牛乳を零したようで気持ち悪い午後

    図書館がある木造校舎から新校舎への引越しだ

    橙色の日本地方地図をグレーのスチールの手前に置くと、奥にある
    星 慎一さんの文庫本が隠れてしまう
    (それでは、僕の作風が伝わらない…半世紀後の事になるのだが)

    読んだ事はないが
    松本 清長さんの著者が整然と並んでいる。
    高校生には早すぎる小説なので、きっと国語科の担任の趣味なんだろうなと分かる
    公立では結構よくあるお約束

    達磨ストーブと煙突
    水色のガラスの一輪挿し、マーガレットの花
    その向こうから声がする。

    「横山よう〜
    この棚を終わって、後どうすんだ」

    角刈りがビシッと決まって長ランの第二ボタンを外した先輩に質問された

    電子集塵機を使った掃除になるらしいです

    「それは前代未聞だなあ、何時に帰れるんだ?」
    「明日またやるのか?放課後か」

    先輩は労咳の父親の見舞いが日課で、防砂林のずっと先で、赤松が植わった療養所に通っている

    もちろん、母は他界し不治の病の噂だから見込みがないのと、この話は他言不要だ

    人それぞれ口に出来ない事は多い裏社会

    机の横のバッグの下に
    原付のナンバープレートがある、今日じゅうに廃車に行かないと来年も税金がかかる

    あっ…校則違反だからこれも内緒だ

    エンコ飛ばせと言われたが
    「堅気のする事じゃ無かろうぞ!」
    傷のある眉間に青筋立ててと凄んだ
    Midnight angels の集会を頭丸めて卒業したが
    ウチらは札付き
    他の生徒からは愚連と恐れらている。

    まあ興業高校では良くいる生徒だが…
    だからさ、体育館で怒鳴ってもへっちゃらだ


    先日、秋の興業祭の来客に土曜の夜の妖精さんがいた。
    俺たちがよく
    スピードの向こう側にあり
    何人死んでも追いつけ無い、その妖精
    妖精に男女の定義は無いはずだけど(小説の定義)
    どうやら婚約指輪を無くして、奥さんがお怒りらしい
    魔界王の叔父貴がお金を出した大切な
    小さな指輪
    今週末まで見つからないと
    スピードがこっち側に来て
    大変な事になりそうな危機感が伝わる。

    其れが、中学のフォークダンスの様な
    全校上げての探し物だ

    そして特捜班とタイミングが絶妙で真面目に笑える話だよ!

    図書館がクリーンルームだったらフィルターに引っかかるか、いや掃除しないから意外と埃はあるんだ(其れは、30年後の未来)


    一段落付いた「いけねぇ」

    オリエンタ製のグリーンな自動巻きの時計を見ると四時四十四分くらい

    ヨシ!役場間に合うか?

    第二グランド奥ハンドボール部小屋の裏に小走りで向かう

    チョークを戻しても
    水色のエンジンオイルと
    四発のアイドルは不 機嫌だ

    パン パパン …


    そばにあるコールタール臭い電柱の街灯のスイッチを入れる
    電球は今日も裸だ、フィラメントの暖かさが心に沁みる。

    硫黄の臭いが
    夕焼けに香り
    南風に舞う

    魔界と言うのは恐ろしい
    ツッパリやヤクザのウンと向こう側
    魔界が狂うと死神がやって来る。

    新星の煙が一段落すると
    金具を付けたチョン靴の先っちょをチョット捻る

    赤いテープの鞄を左腕に
    鮫色のグラデーションのタンクが光る
    白シートに跨ると
    ひと吹かしで
    蹴飛ばされた様に飛んで行く

    何となく薪と肉じゃが香りのする集落を抜け

    ワイヤーのガードレールが続く道
    「スコン スコン」
    5、4と一気に下げて、ダブルに合わせて系品のキャブが吠える

    パーシャルを保って

    苦手な左コーナーを三速で抜けようとした時

    「わっ *^#%$€=!!」

    シビエ四灯のヘッドランプが目の前にあった
    センターのこっち側

    ガラスの飛沫と
    悪魔の轟が夕闇の峠にこだました

    散乱光式回転灯をつけた
    初期のワンボックス載せられる
    いや
    モーターサイレンのバンだったか曖昧だ

    遠き山に陽が落ちて〜♪
    と聞こえた記憶は後付けの記憶か?
    聴こえた気がした



    がたつく鉄のガラス窓

    ホーローの洗面器にクレゾール石鹸の匂い
    天井から吊るされた肢体

    看護婦さんが秒針の見て脈をとったあと

    「あぁ、助かったんだ」実感

    ポツリ ポツポツ と落ちる
    ふと点滴を見ながら考えている

    「見つかったのかな、その指輪…」



    外科の病棟は今日も吐く息が白い

    窓際にガラスの一輪挿しマーガレットの花

    何故か金色に光る

    あれ?




    生きるのは其れで辛いね…また今年も税金来たよ

    ironworks☆鉄工所



    【投稿者: 1: 鉄工所】

    あとがき

    現代 過去 未来〜
    バイオレンス メルヘンチック 薀蓄と

    素人らしい時間軸に歪んだ
    コンセプトがぶれぶれの
    不可解な作風に仕上げました。

    途中に 何とか節がありそうですが、カミングアウト調な場面も?

    答えは自由!その人なりの妄想で楽しんで頂ければ幸いです。

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    コメント一覧 

    1. 1.

      1: 9: けにお21

      楽しく、自由だ!

      そうでした!

      小説を書くと言えば、つい気構えてしまうものだが、実は違うと言うことを思い出しました。

      白いキャンバスに気楽に、楽しく、思いのままに描くもの。
      決して、しかめっ面で、肩肘を張って描くものではない。

      ・・・人によるのでしょうが。

      さて、本作については、図書館の引越し、指輪探し、役場へバイクで移動、その途中に事故、病院と言うリズムかるな展開。
      まるでミュージカルのようなテンポでした。

      世界観も、妖精や魔界など、異次元感覚で面白かったです。

      感性で読むような小説で、なるほどこれも小説の面白さの一つだな、と感じました。


    2. 2.

      1: 鉄工所

      クレヨン ペンキ デッサン 粘土

      キャンパスに描くのは油絵でなくても本来良いのですよね。

      読み手が、これぐらい…この部分だけなら書ける。
      と思う様なラフなスタイルこそ短編の良さでもあるかなと

      フルコースの料理でなく、ワンプレート(丼物)の美味しさのほうがそれはそれで味もあるのかなと思います。

      リニューアルらしいパターンがようやくかけました、ご高評に感謝です!


    3. 3.

      3: 茶屋

      へーい、パンクですね。ブルーハーツが流れるようなそんな文章でした。
      最後にリアルに引き戻される。のが夢が覚めるようで
      二度寝したくなるブルース


    4. 4.

      1: 鉄工所

      本当の声を聞けせて贈れよ〜

      願わくば、二度寝はロマンチックに…無理
      ソウルが効いた感じでないと
      途中で書けなくなってしまうんです。

      そう!前半はリアルな夢も入っています。