人になっていくもの

  • 超短編 250文字
  • 同タイトル
  • 2021年08月16日 22時台

  • 著者:1: 3: ヒヒヒ
  • 人を超える、完璧なアンドロイドを造りたい。
    その一心で五十年、ひたすら頑張ってきたのだけれど、
    どうしても、どうしても落涙の機能が再現できない。

    目はできた、顔もよい、知能だって完璧だ。
    だけど、涙だけが流せない。それはあまりに精緻すぎた。

    だから聞いたのさ。雲の上に負わす造物主、
    天地全てを総べるお方に。
    「いったいどうすれば、人形が涙を流しますか」

    そのお方はおっしゃった。
    「お前、お前の造る子に、悲しむ機能を付けるのか。
     お前の造る新世界に、悲しい事を残すのか」

    だから次世代の人類は、誰一人として泣きはしない。

    【投稿者:1: 3: ヒヒヒ】

    あとがき

    8月ですが、いいタイトルだったので、7月の同タイトル書かせてください……!
    俺たちの夏休みは、まだ終わっちゃいないんだ!(

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    コメント一覧 

    1. 1.

      20: なかまくら

      創造主の後悔によって、今の人類はいるのか、
      それとも、何かを失った結果、今の人類がいるのか、気になりますね。


    2. 2.

      1: 9: けにお21

      造物主が、涙の機能を止めたのかな?

      確かに、わざわざ造る人形にマイナスの感情である悲しみを与えることはないかも?