発酵人間の噂

  • 超短編 1,016文字
  • 同タイトル
  • 2020年08月19日 20時台

  • 著者: 1: 9: けにお21
  • ドンドンドン

    ドンドンドンドン

    「だんなー、だんなー、おーきてやすかい?」

    ガラガラ

    旦那
    「おや、傘売りの傘兵衛かい。いったい、こんな夜分に、何がどうしたってんだい?」

    傘べえ
    「それが、それが、てーへんなんですよ!はあはあ、てーへんなんですよー!はあはあ、八丁堀で、あの発酵、はあ、人間が、はあ、出たんすよー、はあはあ」

    旦那
    「息を切らして、何があったい? 発酵人間? いったい何を言ってるだい? まあ、茶ーでも飲みねえ」

    傘べえ
    「ありがてえや」

    ぐびっぐびっぐびっ、ぷっはー

    傘べえ
    「あー、うまい茶だあー! ありがてー! ところで、旦那ー! 二丁目の魚売りのお京ちゃん、あっしのこと、どう言ってた?」

    旦那
    「お京、お京、あーあー、あの、おきょうちゃんね。そうだねー、確か少し前に、傘兵衛のこと聞いたら『まあまあ』って言ってたなあ」

    傘べえ
    「まあまあ?? まあまあ、って何でやすかい? それはあっしに気があるってことか?無いのか? どっちなんでやす?」

    旦那
    「そりゃあそうだなー。。 まあまあ、ってんだから、そりゃあ微妙ってこと、だな」

    傘べえ
    「びみょーおうおう? 旦那ー!学のねえ、あっしに難しいこと、言わんでくれ!微妙ってなんだい? お京ちゃんはあっしの事にホの字なのかい?」

    旦那
    「ほォゥ! まあ、微妙なんで、三七で、ムリポ」

    傘べえ
    「旦那ー! ムリポ! それは何でやすかい? ムリポ?? お京ちゃんがムリポって、なんでやすかい?むりぽぅ?」

    旦那
    「傘べえ!もう、夜もふけたし、帰って寝んなー。お京ちゃんには、傘べえの男っぶりの良さを、こんどタップリと売り込んどくから、安心して、寝んなー」

    傘べえ
    「ありがてえー!さすが、あっしが見込んだ旦那ってもんだー? あれ、あっしは、お京ちゃんの事、聞きに来たんだっけ?」

    旦那
    「うーん。さあな? 何か言ってたかも?まあ、おめえのとこのオッカさんは、おっかねえから早くかってやんなー」

    傘べえ
    「旦那、夜分にかたじかねー! お京、お京ちゃん、とにかく頼んますぜぇい、旦那ー!」

    旦那
    「分かった!分かった!お京ちゃんの事は分かったから、傘べえ!はよ、かかって寝ろー」

    傘べえ
    「夜分にすまねえやー、旦那!」

    旦那
    「じゃあな! おっと、傘べえ。ひとつ、言い忘れたが、最近、巷に発酵人間なる輩が出るってそうだから、てめえも帰る折、夜道、十分に気をつけなー」

    傘べえ
    「ひぃよぇぃー、発酵人間! そりゃあ、何ともおっかねえ響きだぜ! 忠告ありがとよー、旦那ー」

    旦那
    「僕、もう寝るから」

    ガラガラ

    【投稿者: 1: 9: けにお21】

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    コメント一覧 

    1. 1.

      20: なかまくら

      発酵人間よりもお京ちゃんが魅力的なようで、ちょっと不憫に思いました(笑


    2. 2.

      1: 9: けにお21

      何が何だか、分からない話でした。

      読んでいただき、申し訳ないw

      コレで、やっと、
      夢の
      大江戸温泉系の小説を作れました
      ー!


    3. 3.

      1: 3: ヒヒヒ

      途中までお京ちゃんが「はっこうにんげん」なのだと予想してました。
      これが本当の、はっこうのびじ……止めておきましょう。


    4. 4.

      1: 9: けにお21

      ヒヒヒさんへ

      読んでいただいてありがとうございます😊

      ハッコウの・・だんだん、ヒヒヒさんが、あの方のように。。

      デンデロ化している!