ニジガエル

  • 超短編 190文字
  • 日常
  • 2020年06月06日 11時台

  • 著者: テキサス万歳































  • 南方極小極才色の雨蛙の一種だが、
























    落ちてくる雨粒から雨粒へと、

    落ちるより速く飛び移り飛び移りし、

    上空めざし雲間に消えたかと思うと、





























    遠く離れた沼から沼。
























    時には海を越えてさえ、

    大移動するという。

    その様子が虹そっくり見えたことから、
























    死にゆくエイレイ兵士たちは、

    ウワゴトでニジガエルと虚空を指差し、

    息絶えた。

    幻だったかもしれない。

























    でも一種の妖怪であり、

    紛れもない一種の戦場怪談である。































    【投稿者: テキサス万歳】

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    コメント一覧 

    1. 1.

      3: 茶屋

      あぁ、私がこのサイトが大好きな理由の一つが、こんな作品に出合えるからです。
      『虹がある』が『ニジガエル』となったのでしょうか?
      場面を想像して少し、ウキウキします。
      いえ、怪談なのかもしれませんが。


    2. 2.

      20: なかまくら

      これは天才的です。独創的、詩的で素敵でした。


    3. 3.

      テキサス万歳

      茶屋様なかまくら様お二人の素晴らしいご指摘ご講評ふかく感謝します。