俺はずいぶんと悪いことをしたもんだ。
ゲンゴウ爺さんちの畑の瓜ををおいしそうなとこみんな食べてしまったし、
うるせい子供を見つけると、ひねり石投げてやったし
庄屋の娘のお腹が大きいとき、ふざけて坂道で押しちまったら、
お腹の子が産まれちまって、そのまま死んじまって、庄屋の娘もおおあざ作った。
村の中の嫌われ者で、最後は冬の晩にゲンダイ酒屋の新しい酒盗んで酔いつぶれて、
夜の道に寝転んで、その後おっちんじゃったさ。
それからはご想像の通り、地獄行きだわね。
地獄っていうのはひどいところやな。
地獄の門のところには、おっそろしい顔の閻魔様がいるし、俺みたい奴は
根性が悪いからって、血の池地獄やら、釜茹で地獄、針地獄、肥溜め地獄とつぎつぎ押し込まれ、
最後にやってきたのがこのプルプル地獄だわね。
プルプル地獄ってとこはまわりがプルプルしたものに囲まれていて、
真っ暗で身動きが取れない。ひものようなモノでつながれていて、しゃべることもできない。
まわりがプルプルしていて、何も考えることができない。
だけど、じぶんはちっぽけで何もできない虫けらのような気がしてくる。
だけど、もしここから出ていくことができるなら、
今度はまっとうなものになって、まっとうな人生を・・・
あとがき
ずるして全部入れた気がする・・・
コメント一覧
プルプル地獄!
プルプルだと、良質のベットマットのように心地良さそうに思えるが、プルプルに全身を囲まれると、喋ることも・思考をも停止させる地獄になるものなのか。
予想はうーん。。
コレは難しいですねー
冷蔵庫でした!
罪人のゼリー固めとか見たくないですねぇ笑
どんな地獄でも勘弁願いたいところ!
無理矢理のキーワード入れが祭りっぽい作品だなぁと思いました。
アノカネカラスです。これ、好きです。何とも言えない読後感です。ぷるぷるという語感を裏切る地獄という言葉。
そして、容赦のない地獄の様子。なかなかバランスのいい作品だと思いました。
作者さんは、幸楽堂さんではないでしょうか??
コーヒー探偵でっす。相棒のチュー太郎とも最後の予想でっす。
さて、この感じはやっと幸楽堂さんの作品に出合えました。
独白のような文章は祭り作品というより超短編という文章をぶつけ合うこのサイトらしい作品だったのです。
予想は幸楽堂さんで決まりです。
プルプル地獄、滑稽な名前のわりにえげつない。
素直に、恐ろしい地獄だな、と思えるお話でした。
作者はhowameさんと予想します。色なし鼠