カフェの窓際のテーブルの上のスマホがプルプルなる。
もしかして、とルルは思う。
もしかしてトニーからの電話かもしれない。
いやきっとお父さんが私の帰りが遅いのを心配してかけてきているにちがいない。
父は20歳の娘がまだ小学生であるかのように心配なのだ。
元号だって令和に変わったというのに、昭和生まれの父の頭を新しいものに変えることはできない。
トニーが好きだ。
トニーに「また会いたいな」とこの間ラインしたら、
「いつでも、会えるよ。そのうち連絡するよ」
って返ってきた。
トニーはいつでもそうだ。誰に対しても優しく、そつのない男だ。
イケメンではないのに、女の子を引き付けてしまう。
勝ち目のない試合に臨むボクサーの様に、首を捻り、スマホを手に取った。
これからどうしよう。トニーの住む現代的なデザインのマンションの周りを歩いて、歩いて歩きまわろうか。
恋とストーカ―の区別がルルにはわからない。
コメント一覧
トニーかく、ルルにルールを教えよう。
祭り作品がどんどん出てきましたね。どなたか当てる楽しみが増えましたね。
とんがり帽子です。
子供と大人の境目、恋と愛の境目、境目には危険がつきものですね。
作者はhowameさんと予想します。色なし鼠
これは、作者は女性で間違いなさそう。
短文ですし、私もhowameさんな気がします。
パンに入れた冷蔵庫はまずい、でした。
アノカネカラスです。トニーというちょっと謎のある男に惹かれるルルはお父さんとしては心配でしょうね。
作品全体に漂う、甘い、恋が始まりそうな感じが、そう、howameさんだと予想です。
コーヒー探偵なのです、実は紅茶派です。
さって、感想です。トニーはきっとハーフのイケメンさんなのです。
プルプルという単語をかわいらしく使っているのも好きです。
この感じはhowameさんで間違いないのですが。
茶屋さんの気配がほんのりします。注意なのです。