理恵ちゃん

  • 超短編 1,925文字
  • シリーズ

  • 著者: 2: 幸楽堂
  • 森下善三です。お久しぶりっこで~す!あゆで~す!・・・って古いか。古いといえば親父の悪友の古沢重雄さんの孫の理恵ちゃんに最近、仕事の帰りに町中でばったり会って立ち話をしたので、そのことでも寄稿しようかと思って・・・。
    私「おい、理恵ちゃんじゃん!部活の帰り?」
    自転車に乗った理恵は、私の声かけに気づいて自転車から降りて、私の方に近づいて来てくれました。
    理恵「おじちゃん、久しいね。元気しとる?」
    私「まあな。そっちは来年、大学生だろ?」
    理恵「まあね。入試に浮かれば、の話だけど」
    私「どこば受けるとな?」
    理恵「東大。・・・ウソ、A学あたりかな…。テレビ局のアナウンサーになりたかとよ」
    私「A学?やめたがええぞ、あんなプチブル志向のクソ大学。A学院大とかR教大なんか、キリスト教の看板ぶらさげてるだけでミーちゃん、ハーちゃんを集めたクソブランド大学になり下がってくさ、イエスの名を汚すだけの恥知らず偽善者組織だべ。アナウンサーなら東大か、私立ならK大がええ。男はレイプとかしてつまらん大学だけどな。あとはJ大か。テレビに出とるまともな女子アナの出身はみなそうだで。」
    理恵「ムフフ…それっておじちゃんの好みの女子アナの出身大学でしょ?」
    私「いや、そんなことはない。わしはそもそも女子アナなんかに興味ないづら。」
    理恵「づら・・・って、どこの方言ね?駿府ね?」
    私「アホ。駿府、駿河じゃのうて静岡と言ってもらいたい!いや……、そんなことはどうでもええんよ。理恵ちゃんさあ、ともかく、ちゃんとした学校に行ってほしかとよ。質は悪かとにカネばっかぼったくる私学はやめてさ、堅実な国立ば狙わんね?」
    理恵「おじちゃんって、たしか大学、出てなかったよね。あ、じゃなくてなんか……夜間とか通信とか……アハハ。そんクセ、あたしにえらそうに説教ばすっとね?」
    私「ムハっ!・・・理恵ちゃん、通信も出るとは難しかとよ。バカにしたらバチくらうど……。ま、そげんことはどげんでんよか。理恵ちゃんよ、進路だけはまちごうたらあかんぜよ。今のわしのようにならんようにな」
    理恵「ぜよって今度は高知か?頼まれてもおじちゃんのような人間にはならんよ」
    私「うむ、それでよか。たった1度の貴重な人生を棒に振ったらいけん。わしはもう棒に振って、ホームレス相手のクソ仕事なんかしとるけな。最近は家出不良の子を見つける団体なんかもテレビに出とるけど、見てみい…髪染めたアホっぽい女たちが職員づらしてえらそうに出とるわいな。それ見りゃまともな人間は感じるやろな…なにがNPO法人や!言うてもしょせん助成金たかりや。ふつうに社会人として生きてゆけん無能者のパラサイトや。国の審査が甘すぎて、ラクしてカネもらって生きようとするクズのカモにされてるだけやん……って。ちょうどN党の最低レベル高卒のTの腐れが選挙を悪用して国会議員の特権で稼いだのと大差ないって……。そういうことは、世のため人のためとかキレイゴトぬかして誤魔化して……まともな人間のすることやなか。ほんでホームレス支援なんかも、ほんなごつ、むなしゅうてなさけんなか仕事だらあ。ま、不良の女や子ども相手のNPOよりはマシやけどな。と、と、ところで理恵ちゃん、『同期のサクラ』見とっただらあ?」
    理恵「うん、毎週、楽しみに見とっただよ。あたし、高畑充希が好きだで~。あら、~あたしもへんな方言になっちゃった。」
    私「理恵ちゃんもサクラみたいに組織の中でも自分の信念を貫ける社会人になってほしいぞな」
    理恵「あたしはゼネコンなんか興味ないぞな。局アナが第一志望ぞな」
    私「なんでまたアナウンサーなんかになりたくなったぞな?」
    理恵「知らんぞな。そういう心理って理屈じゃないぞな、ぞな」
    私「そうだったのかねぞな」
    理恵「あたしこれから友達と会うんだぞな。じゃあ、これで…」
    私「ふん、どうせタピオカでも食いに行くんだろう」
    理恵「ハハ、ヨーグルトもミルクティーも飲んだよ」
    私「どうせイモやろ。わしゃ知らんが・・・」
    理恵「うん?まずい、ひじょ~にまずい。それじゃ。おじちゃん。いつまでもホームレスなんか相手にしとらんでちゃんとした仕事に就いて、はよ、結婚ばせんね。性欲ばもて余しとっとじゃろ。」
    私「じゃあしー!わいせつしたろか!ほれ、見せたるぞ~!」
    理恵「キャ~!キョコンや!あたし、警察に通報しまーす!キャキャキャ・・・じゃあね!」
    私「おう、元気にやれよ。クソA学だけはやめときよ。駅伝しかノウのないアホ大やど!そげなとこに入ったら天国の共産党の重雄さんが悲しむぞ~!」
    理恵「じいちゃんはじいちゃん。あたしはあたしよ。バイバ~イ!」
    こうして理恵ちゃんは夕焼けの中に消えてゆきました。

    【投稿者: 2: 幸楽堂】

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