「…妙な奴に遭遇した?」
「うん。ハンマー持ってて、それにとち狂った奴。涼介は何か知ってる?」
現在、午前9時。
私は昨晩にあった事を涼介に話した。
昨晩のあの怪物のような人間…涼介なら何か知ってるんじゃないかと思っていた。
「それは多分…、「ハングマン」だな。」
「…ハングマン…?」
「俺も詳しくは知らねえが、小耳に挟んだ事がある。
昨晩姉貴と若葉が遭遇した奴は、名前はハングマンだ。それにまだ歌舞伎町にいたとはな…。」
「まだ…って事は…、以前にもいたって事?」
「ああ。誰かが以前既に始末したようだが、どうやら次々現れているらしいな…。」
「ハングマン」。
名前からしてもう既にヤバい。
この先どこに現れるのかもわからない。
「そのハングマンは、大屋が作り出したものなのかな…。」
「それが大屋と関係するかはわからねえ。でも、ハングマンがここに現れたのだとしたら、俺も黙ってられねえ。
もしまた現れたなら、俺も協力するぜ。」
「うん。そうだと助かる。」
仲間が2人いるだけでも心強い。
私はそう思った。
ウウウウウゥ……
「…!」
サイレンが聞こえる。
「何かあったの?」
「それを今から確かめに行くんだろ。」
そう。私達がやるのはただ一つ。
現場に向かう事だ。
もしかすると、そこに大屋がいるかもしれない。
「準備はいい?」
「うん!」
「早く行こうぜ。俺はもう現場見たくてうずうずしてんだ!」
「よし、行くよ!!」
私はそう告げ、マンホールを勢いよく開けた。
「これは…!」
外に出ると、街の人々が悲鳴を上げながら、一斉に逃げているのがわかる。
「やべえな…。こりゃあ地獄絵図だ!」
「お姉ちゃん!」
「わかってる…。まずは大屋を探す所から!
見つけ次第、戦闘準備に入るよ!」
「ようやくお出ましのようだな!」
「2人とも、行くよ!!」
私はそう指示を出し、一斉に走り出した。
「姉貴!見つけた!大屋だ!!」
「…!」
あの後ろ姿…。一致してる。
大屋佐江子だ。
「大屋!」
呼びかけると、彼女は私達の方へ振り向いた。
「あら、誰かと思えば松浦じゃない。」
「今回の件…、あんたの仕業?」
「…だったら何?」
「もし本当にあんたの仕業であれば、ここで始末するしかないと思ってね。」
この前言っていたように、大屋を捕まえられないようじゃ私達の負け。
ならいっその事ここで終わらせてやる。
「…あら?」
すると大屋は、涼介の方に向いた。
「…あんた、西園寺じゃない。やっと見つけたわ…。」
「……。」
「…?」
…え?
まさか大屋、涼介の事を知っているの?
「涼介…、どういう事?」
「……。
…姉貴、その話は後だ。」
「…わかった。終わったらちゃんと話してね。」
気になる所だけど、今はそれ所じゃない。
「うだうだしてないで、さっさとかかって来なさいよ。
それとも…、怖気付いたのかしら?」
「…言われなくてもわかってる。」
大屋の煽りに少しイラッときた。
相手は大屋の他に、手下が数多くいる。
ここは斬裂刀の出番かな。
「あんた達3人、皆殺しにしてあげるわ!!」
「皆…、行くぞぉっ!!」
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