Chapter4 血戦①

  • 超短編 1,227文字
  • シリーズ

  • 著者:退会済み
  •  「…妙な奴に遭遇した?」
     「うん。ハンマー持ってて、それにとち狂った奴。涼介は何か知ってる?」
     現在、午前9時。
     私は昨晩にあった事を涼介に話した。
     昨晩のあの怪物のような人間…涼介なら何か知ってるんじゃないかと思っていた。

     「それは多分…、「ハングマン」だな。」
     「…ハングマン…?」
     「俺も詳しくは知らねえが、小耳に挟んだ事がある。
     昨晩姉貴と若葉が遭遇した奴は、名前はハングマンだ。それにまだ歌舞伎町にいたとはな…。」
     「まだ…って事は…、以前にもいたって事?」
     「ああ。誰かが以前既に始末したようだが、どうやら次々現れているらしいな…。」
     「ハングマン」。
     名前からしてもう既にヤバい。
     この先どこに現れるのかもわからない。
     「そのハングマンは、大屋が作り出したものなのかな…。」
     「それが大屋と関係するかはわからねえ。でも、ハングマンがここに現れたのだとしたら、俺も黙ってられねえ。
     もしまた現れたなら、俺も協力するぜ。」
     「うん。そうだと助かる。」
     仲間が2人いるだけでも心強い。
     私はそう思った。



    ウウウウウゥ……
     「…!」
     サイレンが聞こえる。
     「何かあったの?」
     「それを今から確かめに行くんだろ。」
     そう。私達がやるのはただ一つ。
     現場に向かう事だ。
     もしかすると、そこに大屋がいるかもしれない。


     「準備はいい?」
     「うん!」
     「早く行こうぜ。俺はもう現場見たくてうずうずしてんだ!」
     「よし、行くよ!!」
     私はそう告げ、マンホールを勢いよく開けた。


     「これは…!」
     外に出ると、街の人々が悲鳴を上げながら、一斉に逃げているのがわかる。
     「やべえな…。こりゃあ地獄絵図だ!」
     「お姉ちゃん!」
     「わかってる…。まずは大屋を探す所から!
     見つけ次第、戦闘準備に入るよ!」
     「ようやくお出ましのようだな!」
     「2人とも、行くよ!!」
     私はそう指示を出し、一斉に走り出した。



     「姉貴!見つけた!大屋だ!!」
     「…!」
     あの後ろ姿…。一致してる。


     大屋佐江子だ。


     「大屋!」
     呼びかけると、彼女は私達の方へ振り向いた。
     「あら、誰かと思えば松浦じゃない。」
     「今回の件…、あんたの仕業?」
     「…だったら何?」
     「もし本当にあんたの仕業であれば、ここで始末するしかないと思ってね。」
     この前言っていたように、大屋を捕まえられないようじゃ私達の負け。
     ならいっその事ここで終わらせてやる。
     「…あら?」
     すると大屋は、涼介の方に向いた。


     「…あんた、西園寺じゃない。やっと見つけたわ…。」
     「……。」
     「…?」

     …え?

     まさか大屋、涼介の事を知っているの?

     「涼介…、どういう事?」
     「……。

     …姉貴、その話は後だ。」
     「…わかった。終わったらちゃんと話してね。」
     気になる所だけど、今はそれ所じゃない。
     「うだうだしてないで、さっさとかかって来なさいよ。
     それとも…、怖気付いたのかしら?」
     「…言われなくてもわかってる。」
     大屋の煽りに少しイラッときた。
     相手は大屋の他に、手下が数多くいる。
     ここは斬裂刀の出番かな。

     「あんた達3人、皆殺しにしてあげるわ!!」


     「皆…、行くぞぉっ!!」

    【投稿者: 2: アズール021】

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