チーム名を決めた後、私達は巣から出る。
下水道の水が流れる音が響き渡る。
「とりあえず今の松浦軍は、大屋と繋ぐものを探り出せばいいだけだよな?」
「できればそうしたいね。」
「繋ぐものっつったら…、大屋が残しそうなものか何かか…。」
まあ繋ぐものって言っても、まともな証拠がなければ意味がない。
「まあここで考えていても仕方ねえ。外出て探ってみるか?
もし奴らが来たら倒してもいいし。」
「まあ、そうだね。早いとこ終わらせよう。」
そう言って、私達は外に出た。
かれこれ数分。
裏路地に行ってみても、何も見つからないまま。
「どっかに足跡残してねえかな?」
「それっぽいのが見当たらないね…。」
足跡なぁ…。
本物の探偵だったら、それをすぐに見つけられるのかもね。
そうこうしているうちに、私はある事に気付く。
「…ねえ、気のせいかな?」
「んあ?」
「何か…、じっと見られてる感じがするんだけど…。」
薄々だが、目の見えない何かに見られてる感じがする。
若葉や涼介も、辺りを見回してる。
これはもしや…。
「おぉーーー!!」
「!?うおっ!?」
咄嗟に上を見上げた。
誰かが雄叫びを上げ、何かが降ってくる。
「あいつら…!」
「だよね。奴らは…。」
そう。私も誰なのかわかった。
大屋軍だ。しかも2人。
「まさかとは思ったけどな…。」
「覚悟ーーー!!」
奴らから殺気立つオーラが漂ってくる。
じっとしていられない。ここを早く安定させないと!
「ぐっ…!くそ…!」
「まだやるか!?あぁっ!?」
3対2では流石に奴らは敵わないだろう。
それくらい余裕だった。
主将である大屋が一番手強いって事かな?
「ったく…、どこにいても油断できねえな。」
「安心するのはまだ早いよ。大屋軍はあと何人いるかわからない。」
「それじゃあ、あと何十人はいるのかな…。」
「最悪の場合そうなのかもね。だから気は抜かないでね。」
大屋軍はそれほどの人数がいると思う。
いつどこで遭遇するのかもわからない。
災害と同じだ。
「行こう。」
それから長時間探索したけど…。
「ろくなもん見つかんねえな…。」
涼介の言う通り、大屋と繋ぐものがまだ何一つ見つからない。
どこかに隠し持ってるのだろうと考えられる。
「もしかすると、大屋は歌舞伎町にいないとか?」
「そんな感じもするね。」
うーん、考えにくいけど、その可能性もありそう。
まだまだわからないものだらけだ。
「もうこの際、二手に分かれて探すしか……。」
その瞬間、私は気配を感じた。
バンッ!
「…!あっぶな!?」
銃声が聞こえた。
気のせいじゃない。本当の音だ。
「…勘がいいな。やっぱ凄腕は甘くねえな。」
その声は男だ。
「…あんたは?」
「俺か?俺はな…。
黒沼絢人(くろぬま あやひと)だ。よろしく頼むぜ。」
「…黒沼?」
その男は、黒沼と名乗った。
見るからに怪しい感じがする。
すると、涼介が口を開く。
「あいつは…、大屋軍幹部だ。」
「大屋軍…幹部…?」
「こいつは大屋の2番目に強い。見てわかるだろ?
銃を持ってる。それに照準力がバケモン並みだ。」
涼介は、黒沼について話してくれた。
何故そこまで知っているのだろうか?と思ったけど、それを考えるのは後にしておく。
「へえ、よく知ってるじゃねえか。
だがよ、ここにいるのは俺だけじゃねえぜ?」
「…え?」
黒沼がそう言うと、私達は辺りを見回す。
もうすでに、大屋軍が私達を囲んでいた。
「どうするよ?姉貴。」
「…そんなの決まってる。
大勢に囲まれたのなら、その囲いを打ち破るだけだ!」
コメント一覧
ナンバー2がそんなさっそく出ちゃっていいんですか!?
お手並み拝見です。