それから数か月経って、Rさんはどうなっていたかといえば、すでに職を三つも変えていました。どれも長続きしなかったのです。一つめは警備会社で列車見張りの仕事に就きました。これはとにかく長時間、立ちっぱなしで危険や責任も大きいということで2か月でやめました。二つめは葬祭場の駐車場の整理員でした。葬儀社にいたということでなんかよさそうに思ったのでしょうが、中と外とは違います。たまたま中で働く職員と親しくなって経営のことなどに口出しするようになり、それを上司に告げ口されて解雇になりました。三つめは公園の草刈りや清掃の仕事で、夏場に始めたものだから熱中症になりそうだと言って1か月でやめました。そして今、Rさんは無職です。また生活保護に逆戻りです。毎日、ハローワークに通って面接も受けていますが、ここ数か月の転職が災いしてか不採用の通知が続いています。福音書&主の祈りの日課は続けているそうです。
私は思い切って、ユーチューバーでも目指してみたらどうかと提案してみました。路上生活や刑務所生活、そしてあおり運転の経験などを活かして、動画で発信してみたらどうかということです。それなら社会への啓発にもなり、うまくすればいくらかの収入を得ることもでき、生活保護の受給額を少しでも下げることができれば本人の自信にもつながるはずです。かくして、Rさんの部屋に中古のパソコンが購入されました。カメラとマイクはパソコン内蔵のものを使うのです。録画の第1回めは1か月ほど前になります。初回なので大雑把な自己紹介だけで終わりました。Rさんはかなり緊張して、カメラに向かって用意した原稿を読みました。そして団体の中でパソコンに詳しい青年が動画を編集してユーチューブに投稿しました。Rさんはアップされた動画を見て、けっこういい男に映っているぞと喜びました。しかし再生回数はなかなか上がってきません。第2回目は来週あたりにやる予定です。今度は路上生活やあおり運転のことに集中して話すそうです。
コメント一覧
ユーチューバーとは厳しいほうへ行ってしまった幹事があります(苦笑
Rさん、今度は動画の向こうの人をあおって、炎上配信とか、ならないといいのですが・・・。