私は、松浦奈那美(まつうら ななみ)。
10歳の頃私は、両親を亡くしていた。
妹とも生き別れ、私は一匹狼で生きていく他なかった。
私は、親から伝授された古武道を用いて、歌舞伎町に出ている。
何年経っても事件が起きている中なので、油断はできない。
私は、悪しき奴らは刀で始末しようと、誓っていた。
それは…、亡くなった両親の、敵討ちのために…。
『ありがとうございましたー。』
コンビニの袋を片手に、無言で外に出る。
中にはメロンパンとコーヒー牛乳が入っている。
これは夜食として毎日食べている。
私の周りには、友達も、誰もいない。
家族を失い、ずっと孤独で生きてきた身だ。
妹も、どこにいるのかわからない。
裏路地に座り込み、買ってきたメロンパンを口へ運んだ。
奥で争い事が聞こえる中、私は黙々とメロンパンを食べ続ける。
本当は騒がしくて全然集中できないけど。
『すいません、他を当たってくれますか?』
『別にいいじゃねえか。』
『あ、ちょっと!離してください!』
「うるさいなぁ…。」
嫌でも耳に入る。
そもそも何でこんな裏路地に女の人を連れてくるワケ?
まあ裏路地でメロンパン食べようとしていた私も同罪だけど…。
できれば静かに食べたい。
そう思うと、私は立ち上がる。
そして、アスファルトに置いてた刀を手に持った。
大丈夫。殺すつもりはないから。
刃が出ないように、ちゃんと鞘にしまっているから。
ちゃんと固定はされているから。
本当に悪しき奴らだけ、鞘から刃を出すから。
心配はいらないーーー。
「…何やってるんですか?こんな人気のない裏路地で。」
「ん?お、いい感じの嬢ちゃんがいるじゃねえか!」
うわぁ…、標的変えたつもり?
でも、私をそう簡単に襲えると思わないでよね。
目の前には男が3人。
こんな奴らなら、ハエを叩くのより楽勝。
「あの!助けてください!」
「こんな人数相手に嬢ちゃん1人が勝てっこないだろ?」
「ふぅん、じゃあやってみます?
言っとくけど、こっちはあなたが思うような人ではないと思いますよ?」
「お?やるか?」
そう口走ると、私は刀を構える。
ちなみに私は、3つの刀を持っている。
二刀流の「斬裂刀」、1本の「鬼薙刀」。
斬裂刀は集団戦、鬼薙刀は対人戦に扱う。
どちらも親から伝授されたものだ。
これに含まれている「斬技(ざんぎ)」も、全て親から伝授されている。
相手は殴りかかってくる。遅い。
バキッ!
「うぐっ!?」
何の隙もなく、私は手を鬼薙刀(鞘付き)で殴った。
その痛みは刃ほどではないが、尋常じゃないくらい走るだろう。
「てめえ、いい度胸してんな。」
「やっちまうぞ!」
さて、あとの2人はどうやって倒すか。
答えは簡単。斬裂刀でぶった斬る。
バキッ!ドゴッ!
「ぐわっ!」
「ぐえっ!」
男達は痛みに悶絶した。
一般人なら一撃で倒れるくらいの痛みだから、誰も耐えられないだろう。
「お前…、何者なんだよ…!」
「名乗るほどの者じゃない。これに懲りたら、さっさと失せな。」
「ちっ!覚えてろよ!」
そう言って、男達は逃げて行った。
「あの…、助けてくれてありがとうございます…。」
「お礼なんていりませんよ。たまたま騒ぎが聞こえて、黙っていられなかったので。」
「強いんですね…。剣道とか習ってたんですか?」
「ううん、これは親から伝授されたものです。今は亡くなっていますが…。」
「そうなんですか…。」
「とりあえず、これからはお気を付けて。」
「はい。ありがとうございます。」
女の人は裏路地を出て行った。
もうあのような状況に巻き込まれなければいいけど…。
どんな未来に、どんな出来事があるかはわからない。
そんな世の中に潜む悪と闇は、この先どこにもないとは限らない。
ここから私の、刀物語は…。
幕を開いたのだったーーー。
コメント一覧
親から伝授された古武道ですか……小説としては、「そう口走ると、私は刀を構える。」以下の問題ですね。う~ん、どうなのかな。その「古武道」、「3つの刀」で、自分の身を護ることはできるが食べてゆくことはできない。やはり食べてゆくための手段にもならないと、この物語はただ「斬裂刀でぶった斬る」というバイオレンス小説にしかなりません。
幸楽道さん》
コメントありがとうございます。
そうですね…。一応無双系の小説にしようかと思ったのですが、やはり難しいものです…。
とりあえずそこも踏まえてこれからも続きを書いていきたいと思います。
何か自信のあるものがあると、強く出られるんでしょうね。どんな物語になっていくか楽しみです。