すごく終わりの物語

  • 超短編 438文字
  • 日常

  • 著者: ちくたく
  • 砂原ナオミは神様した世界の終わりと対峙していた。終わりは笑ったような表情で炬燵にいる。「よかでしたら、終わるべき世界について調整したかとですとよ」。
    チャイムを鳴らして砂原ナオミのアパートに訪れたのはニコニコしていたそれだった。砂原ナオミはその姿を見てキューピー人形あるいはビリケンさんを想像した。砂原ナオミは恋人と別れた直後であり、先程まで泣いていて、とてもどうでも良い気分になっていた。だから終わりに部屋に上げた。そういうちょっとした事ごとがこのような込み入った状況を羅針盤したのかもしれない。
    ところで砂原ナオミはその見た目に反して案外優しい性格でだから失恋したのかもしれない。砂原ナオミは綺麗な女の子だ。あと砂原ナオミの特徴はピアスで緑色の綺麗な石だがそういった装飾的なことは学校として馴染まなかった。高校生である砂原ナオミはそういった場になじまなかった。

    砂原ナオミはいろいろ考えたが、世界は終われとそう呟いた。
    砂原ナオミはいろいろ考えたが、世界は大丈夫だとそう確信した。

    【投稿者: ちくたく】

    一覧に戻る

    コメント一覧 

    1. 1.

      なかまくら

      世界と終わりの擬人化と、妙なクセのある述語の使い方が、事実の境界線をゆがめていて、奇妙な物語に仕上がっていますね。


    2. 2.

      zenigon

       砂原ナオミの野望、世の中の終わりを決めるのは誰、少なくとも神さまではなく、結局、自分自身の選択の連続結果なんだろうなぁ、とも。で、その連続選択の羅針盤は、直接会話する、身近な人々であってほしいと思いますし、ネット等で得られた間接的情報に過剰反応、感情的に振り回される方、ではない方であってほしいですね。