水島家の娘

  • 超短編 2,072文字
  • シリーズ

  • 著者: リオン
  •  麗奈「嘘でしょ…!?多分これね…。」

     天秤の先の子供部屋を探索していると、固まった人間のような物体が座り込んで残されていた。

     よく見ると、D型被験体の腕がくっついている。

     少し固まっているが、私は引き抜く。

     これで血清の材料が揃った。


     私は旧館を出ると、すぐにトレーラーへ向かった。

     そこで諒と落ち合うはず…。

     しかし、諒の姿はどこにもなかった。

    プルルル…

     電話が鳴ると、私は受話器を取り出す。


     麗奈「ねえ、どこにいるの?…あ…、やっぱりいいわ。」

     麗奈「あとはあなたが持ってる頭だけね。これで血清が作れるんでしょ?」

     私はD型被験体の腕を取った事を伝えようとしたが…。


     愛梨(電話)『おっすあいぼー!』

     愛梨(電話)『あんたに言っといてやるけどさ、兄貴は今ちょーっとお休み中なんだよねー!』

     愛梨(電話)『冬斗と一緒にあたしんとこにいるからね!まあ~そう心配しないでよ!二人とも仲良くやってるからさ!』

     電話に出たのは諒ではなく、水島家の娘のの愛梨だった。

     私達が血清を作ろうとしていた事を知られてしまった。

     麗奈「今すぐ二人を離して!どうするつもり!?」

     私は愛梨の調子に腹を立て、強く言い張った。

     愛梨(電話)『そんなの教える訳ないじゃん!それはあたしら家族の問題で、あんたにゃカンケーない話よ。わかるっしょ?』

     愛梨(電話)『いい?この頭が欲しかったらあたしんとこまで来てみなよ。そしたらくれてやってもいいよ!?』

     愛梨(電話)『で~も!その前にあんたにやってもらうよ~?ちょっとしたゲームをね!あんたのために考えてやったんだからさー!』

     麗奈「…ゲームですって?」

     愛梨(電話)『うん、そうだよ!ワクワクするっしょ!?そう焦んなって!ゆっくり楽しませてやるからさ!』

     愛梨(電話)『まず最初にやる事言うよ?あいぼー、その冷蔵庫の中に何が入っているか見てみ?』

     麗奈「ふざけんじゃないわよ!」

     愛梨(電話)『ちょっと何~?しらけさせんの~?もっとゲーム楽しもうよー!』

     愛梨(電話)『いいから早く冷蔵庫見てみなって!』

    ガチャッ!

     愛梨は調子に乗った口調でそう告げると、強く受話器を戻した音が聞こえた。

     麗奈「…チッ。」

     私は怒りが収まらず、舌打ちをした。

     とりあえず、愛梨の言う通りに冷蔵庫を開けてみる。


     開けてみると、中には最初に出会った保安官補佐さんの写真が入っていた。

     裏には汚い字でこう書いてあった。

     「地下の解体室でポリ公が待ってるよ。」

     どういう事なのか、私にはさっぱりわからなかった。

     とりあえず、その解体室に行ってみる事にした。


     解体室に来た訳だが、何があるのだろうか?

    ガチャッ…

     ドアを開けてみると、頭が変わり果てている死体が台の上に乗ってあった。

     近くには、「ヘビの鍵」があった。


     愛梨『それを持ってれば、2枚の基盤を探すのに役に立つよ~?んでもって基盤があれば楽しいパーティーに参加できるってワケ!』

     愛梨『まあせいぜい頑張んなよ麗奈!』

     スピーカーから愛梨の声が聞こえた。

     まず、ヘビの鍵をどこに使うかを調べてみる。


     本館にまだ開けていない部屋が一つある。

     ここでヘビの鍵を使うんだ。


     入ると、子供部屋のような部屋だった。

     机の上にあった日記らしき本を読んでみた。

     字は汚いが、じっくり読んでみる。


    よんがつ…にち
    ままにまちのびょーいんにつれていかれた へんなきかいであたまのしゃしんをとられた おもちゃやでにひゃくごじゅーきゅーこめのぱずるをかってもらった
    よんがつ…にち
    おともだちのゆかなちゃんにあなたのあたまはびょーきねってからかわれた
    よんがつ…にち
    ばーすでーぱーていーってうそついてゆかなちゃんにおうちによんだ やねうらにあがらせてからりもこんでとじこめた ゆかなちゃんはないちゃって だしてよあいりちゃん だって
    よんがつ…にち
    おにーちゃんがかってにはいらないよーにりもこんをかいぞーした はつめーたいかいのとろふぃーとがったいさせたからぜーったいみつからない


     これはどうやら、愛梨が幼い頃の日記らしい。

     愛梨は何故昔からこんな酷い事を…?

     別の机にもう一冊日記があった。


    よんがつ…にち
    ゆかなちゃんはしずかになった たまにてんじょーからこんこんとおとがする
    ごがつ…にち
    すごくくさい やねうらからへんなしるがたれてる りもこんのとろふぃーをまたかいぞーした これでよるもぴっかぴか


     愛梨…、あなたは一体…?

     訳がわからなかった。

     一冊目に「はつめーたいかいのとろふぃーとがったいさせた」と書いてあったが、本当にそうなのかと思い込み、トロフィーを調べてみた。


     すると一つ、何かがある。

     取ってみると、カチャカチャと音が鳴り出した。


     天井から梯子が現れた。

     これはもしや、愛梨が改造したもの…?

     上ってみる。


     屋根裏に着くと、中途半端に開いていたクローゼットが、目の前にあった。

     中には、「バースデイ」と書かれたビデオがあった。

     そしてもう二つ、何か赤色と青色の基盤らしき物が残されている。

     愛梨の言っていた基盤はこれの事…?

     それと、ビデオも気になるところなので、冬斗のビデオを見た所で、バースデイビデオを見てみる事にした。

     これは何が映り込んであるのだろうか…。

    【投稿者: リオン】

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    コメント一覧 

    1. 1.

      なかまくら

      愛梨のサイコパス表現、かなりヤバい感じですね!
      リオンさんのこういう描写、シリーズならではの掘り下げでワクワクしますね~。


    2. 2.

      リオン

      なかまくらさん》
      コメントありがとうございます♪
      愛梨は本当にサイコパスですねwそれに兄を捕らえてしまって、何を考えているのでしょうか。想像膨らむ内容にしていきたいと思います♪