ダダダダダダ…!
翔「くっ…!」
啓太のアサルトライフルが、駐車場中に鳴り響いた。
翔はそれに対抗しながら、走り回る。
バンッ!バンッ!
ザシュッ!
舞依「頭を撃っても死なない…!?啓太、何をされたの!?」
舞依は啓太の頭に拳銃を撃ったが、びくともしない。
バッ
舞依「…!」
その時、啓太は舞依に飛び掛かってきた。
舞依は突然の出来事に動けず…。
ドゴッ!
舞依「うぐっ…!」
翔「舞依!」
舞依「かはっ…!」
啓太「…。」
啓太は舞依の腹を銃口で殴り付けた。
苦しさのあまり、舞依は血を吐いた。
翔「やめろおぉぉぉおッ!!」
ガキンッ!
翔は啓太を殴ろうとしたが、難なく防がれてしまう。
後ろから狙っても、反応が早すぎる。
翔「啓太…!正気になってよ…!」
啓太「…。」
腕を抑えられながらも、翔は離さなかった。
ドゴォッ!
翔「ぐわっ!」
舞依「…!翔…!」
隙を作ってしまい、脚で腹を蹴られた。
翔「啓太…!やめてくれ…!」
翔「こんな事をしてる啓太は…!啓太じゃない!」
翔「お前は僕らの啓太じゃないんだ!」
ドゴォッ!
啓太「…!」
痛みに耐えながら、翔は啓太の顔面を殴り付けた。
啓太は倒れる。
翔「これだけ言ってもわからないのなら、もうこの場で死んでもらうよ。」
啓太「…。」
翔がそういうと、拳銃を啓太に向けた。
翔「さよならだよ。啓太ぁッ!!」
啓太「…。」
ドゴッ!
翔「ぐっ!?」
啓太は瞬発的に起き上がり、翔の腕を殴る。
舞依「翔に手を出さないで!」
ガキンッ!
啓太「…。」
舞依「私らが血を流しても、啓太を止める事は諦めないから!」
舞依「死になさい、啓太!」
バンッ!
啓太「…!」
翔「…舞依…!」
舞依「はぁ…!はぁ…!」
啓太「…。」
舞依も同様に腕を抑えられるが、その隙に拳銃を撃った。
額辺りを狙われ、啓太はよろける。
舞依「…!まだ生きてるの!?」
啓太「…。」
翔「啓太…、何をする気…!?」
啓太はすたすたと向こうへ歩き始めた。
すると…。
グイッ…!
舞依「…!?」
啓太は車を軽々と持ち上げた。
ブォンッ!
舞依「避けて!」
ドッゴオォーーーンッ!!
二人は難なく避けたが、車は他の車にぶつかり、爆発した。
翔「啓太!もうやめてくれ!」
啓太「…。」
グイッ…!
ブォンッ!
啓太は再び車を投げ付ける。
舞依「翔!」
バッ
ドゴォッ!
舞依「がはぁっ…!」
翔「…!」
バタッ
突然、舞依が飛び掛かり、翔の代わりに車にぶつかった。
胸辺りに辺り、舞依は口から多量に吐血した。
翔「舞依…!舞依!!」
舞依「…しょ…う…!」
翔「…!」
舞依は、幼馴染みである翔を死なせないと、翔を庇った。
翔だけは、絶対に死なせる訳にはいかない。
舞依は、それだけしか考えられなかった。
翔「啓太あぁぁぁぁぁあッ!!」
啓太「…!」
ドゴォッ!
啓太「…!」
ドガラシャアァァァアッ!!
翔は怒りと悲しみに満ち、啓太の腹を尋常の力より蹴った。
啓太は吹き飛ばされ、車や壁にぶつかった。
翔「もういい、死ね!!」
バンッ!バンッ!バンッ!
啓太「…!…。」
翔は涙を流しながら、啓太に拳銃を何発も頭に撃った。
バタッ…
翔「はぁ…!はぁ…!」
啓太は、ようやく死んだ。
本当は、殺したくはなかった。
翔「啓太…。」
翔「何で…!どうしてこんな事するのさ…!?」
翔「何でいきなり裏切るのさ…!!」
翔「啓太…!」
翔はひざまづき、啜り泣いた。
プルルル…
翔「…うん…?」
その時、翔の携帯が鳴った。
電話に出てみると…。
啓太(電話)『もしもし、翔?』
翔「…!?」
啓太(電話)『おい、翔?』
翔「…。」
電話に出たのは、啓太だった。
翔「…けい…た…!?」
啓太(電話)『おい、どうしたんだよ。何かあったのか?』
啓太が二人?
そんなのありえない。
翔「啓太…!?本当に啓太なの!?」
啓太(電話)『は?何言ってんだよ。当たり前だろ。』
啓太(電話)『お前何かおかしいぞ。マジで何かあったのかっての。』
翔「そんな…。だって啓太は…!」
啓太(電話)『ああもうわかったから。もうその話はいいって。』
翔「…。」
翔は訳を話すが、途切られてしまった。
啓太(電話)『お前らが遅いから電話したんだけどさ。どこにいるんだよ。』
翔「いや、いい…。学校に向かうね。」
啓太(電話)『は?おい…』
翔「…。」
翔はショックのあまり、電話を切った。
翔(ひょっとしたら…、こいつは偽者…?)
そうとしか思えなかった。
啓太が二人なんて、ありえるはずがない。
翔「…!舞依!」
舞依「…。」
翔「舞依…、しっかり…!」
翔「今学校に向かうからね。しっかり肩を組んでて。」
翔は気絶した舞依の肩を組ながら、よろよろと学校へ向かった。
コメント一覧