君にもらった宝物

  • 超短編 374文字
  • 日常

  • 著者:
  • その日は好きだった女の子と一緒に遊んでいた時だった。
    真っ赤な夕焼けが綺麗な日だった。

    気がつくと、僕の小さな手の中には
    木箱が乗っかっていた。
    その箱は空っぽで、何も入っていなかった。
    ふと、顔を上げると、女の子の手の上にも木箱が乗っていた。
    大好きな君の箱には、綺麗なものが沢山詰まっていた。

    きらきらきらり、夕焼けに照らされて、綺麗に光る。‬

    僕は、女の子に聞いた。

    ‪どうしてそんなに綺麗なの?
    どこでそれをもらったの?
    どうして僕にはないのかな。‬

    何故だか涙が止まらなかった。
    すると、その子はこう言った。

    ‪あら、何を言ってるの?
    あなたも持っているじゃない!
    とっても綺麗な宝石を!‬

    ‪可愛い笑顔で言われて気づく。‬
    ‪しっかり握っていた箱の中を見て、
    僕はとっさに驚いた。
    箱の中には色とりどりな綺麗な色。
    きらきら光る宝石たち。‬

    ‪君にもらった、素敵な素敵な宝物。‬

    【投稿者: 傘】

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    コメント一覧 

    1. 1.

      なかまくら

      最初から持っているんですよねぇ
      最後まで光が当たらずに、死んでいくこともあるんだろうなと思いました。
      歌詞のような物語ですね。


    2. 2.

      けにお21

      夢の中での出来事でしょうか。

      流れは、
      1.女の子は持っている。
      2.主人公は持っていない。
      3.主人公は悲しくなった。
      4.気づいた女の子が、主人公におすそ分けした。
      5.主人公は女の子に感謝。
      でしょうか。

      持っている者、持たざる者。
      持っている者は、持たざる者に与える。
      これが出来ると人類みな幸せになりそうですね。でも実際には、自分や子孫の将来のことばかり考えて、持たざる者には与えず、貯蓄したりしそう。

      さて、本作、「あとがき」を読ませていただいて、本作で言うところの木箱の宝物とは「財物」ではなく「学び」なのかな、と思いました。
      「学び」は、自然には覚えることは難しく、親や学校の先生や書物などから教えてもらい得るもの。
      おっしゃるとおり、自分の人間形成において、大切なことを教えてくれた方々なのだから、感謝しなくてはなりませんよね。

      今のところ、礼儀や道徳や気配りなどの「学び」に関しては、しっかり伝承されているように思います。良い面ですから、次世代に引き継いでいきたいです。