旧館

  • 超短編 2,220文字
  • シリーズ

  • 著者: リオン
  •  私は諒から言われた通りに、旧館へ向かった。

     旧館は沼のそばって言っていたはずだから…。


     見付けた。

     もしかしてここは…、ビデオであった場所…?

     見覚えのある場所だった。

     渡り廊下には、沢山の人形が吊り下げられていた。

     カタカタと音が鳴り響いているので、凄く不気味だ。


     中に入ると、すぐ近くの足下に紙があった。

     紙に書いてあったのは、バーナーか何かの設計図だった。

     バーナーは何が関係しているのかしら…?

     私は設計図をそっと床に置いた。


     とりあえず、ビデオの中で冬斗が通った道を通ってみた。

     旧館の中をよく見ると、所々に虫が壁に張り付いていた。

     私は気味が悪いと思い込み、ハンドガンで撃ち堕とした。

     虫はバラバラに身体をばらまかせた。


     ビデオにもあったが、奥にはとてつもなく大きな穴で通れなくなっていた。

     右を振り向くと、部屋があり、入ると壁に血文字で何か書いてあった。

     『二階に行くな。あの子が待っている。』

     あの子って…?

     もしかして、ビデオにあったあの不気味な声をしていた声の主かもしれない。

     まだこの屋敷にいるという事がわかった。


     そこには、蜂の巣や何やらが沢山潜んでいた。

     本館で手に入れたショットガンで対抗できるか、試してみた。

     虫に刺されながらも、私はショットガンを撃ち抜く。


     やがて蜂が群れから離れると同時に、私は蜂の巣を壊した。

     ショットガンだと3、4発で壊れるらしい。


     ギャラリーに向かい、ベランダへと出ると、ゴミ箱にあった部品を見つけた。

     バーナーの部品らしい。

     これと何かをくっつけて、バーナーにするのかしら…?

     私はギャラリーを出た途端…。

    バリンッ!

     突然窓ガラスが割れ出し、虫が入ってきた。

     ハンドガンを構え、三匹も群がる虫を撃ち抜いた。


     虫を殺しつつ、旧館のもう一つの建物に入ると、何かが机に置いてあった。

     それは、バーナーのノズルだった。

     これでさっき拾った部品をくっつけて、バーナーにしよう。

     完成すると、バーナーの先端から火がついた。

     これでバーナーが使える。


     早速蜂の巣に向かってバーナーを使うと、蜂の巣は燃え出し、崩れた。

     さっきはショットガンで壊していたが、バーナーなら燃えてる間はダメージがあるらしいので、手間が省ける。


     蜂の巣を壊してみると、狭い通り道が現れた。

     私はしゃがんで入ってみる。


     部屋に入ると、机に置いてあったスタチュエットを取った。

     これは石を磨いて作られたものらしい。

     私はスタチュエットを持って、部屋を出ようとすると…。


     「お姉ちゃん…?」

     声が聞こえた。

     この声はもしかして…。


     「…お姉ちゃん!」

     弟の冬斗だった。

     麗奈「冬斗、どうなってるの?ちゃんと話して!」

     冬斗「わかってるよ!僕だってずっとお姉ちゃんに全部話したかったんだ…!」

     冬斗「でも、僕何も覚えてなくて…、本当にどうやっても思い出せないんだよ!」

     私と冬斗がそうこうしている間に…。


     愛梨「おーっす姉貴ー!ちょっとの間弟君借りてもいーい?」

     冬斗の後ろから水島家の娘・愛梨が現れた。

     そして冬斗を抱き締め、奥の部屋に連れて行こうとしていた。

     愛梨「何突っ立ってんのよこのマヌケが!」

     冬斗「お姉ちゃん助けて!!」

    バタンッ!

     愛梨は私に暴言を吐き、部屋のドアを閉め行ってしまった。

     麗奈「くそ…!」


     冬斗を助けに部屋を出て、近くのドアを開けようとしたその時…!


     紗由理「とっとと、ここから出ていきなさい!」

     部屋の奥で脩司の妻・紗由理が待ち構えていた。

     紗由理がドアを閉めると、ドアから無数の虫が浮かび上がった。

     私は腕に乗ってきた虫を払い、ドアから離れた。


     部屋を出ると、紗由理があちこちを探していた。

     ここは見付からないように、慎重に行く。


     紗由理が向こうへ行った隙に、ビデオであった肖像へ向かった。

     確か冬斗は、このスタチュエットの影を蜘蛛の形に映して、壁を開けたんだ。


     壁が開くと、狭い道が現れる。

     私はそこに体勢を細くして通ると…。


     麗奈「…!?嘘!?冗談でしょ!?」

     壁から天井から、無数のムカデが現れた。

     麗奈「くそ!」

     ムカデに抵抗しながら、私は戻らず通り抜ける。


     やがて通り抜けると、ビデオでもあった抜けた床に向かった。

     あそこで確か、クランクらしき物があったはず…。


     クランクを手に入れると、通れなかった道の所へ向かった。

     あそこで確かクランクが使えたはずだ。


     機械にクランクを差し込んで回すと、橋が現れる。

     橋を渡ると、向こうの部屋で「カラスの鍵」を手に入れた。


     カラスの鍵を使うドアの前まで来た。

     私は慎重にドアの前にあった階段を上ろうとしたその時…!


     紗由理「ここには入るなって言ったはずですよ!」

     麗奈「…!うわ!」

     突然紗由理が現れ、押し倒された。

     階段の前まで倒されると、床が軋み、壊れてしまった。

     私は抵抗するが、抵抗していた手を掴んでいた木が壊れて落ちてしまった。

     紗由理「いいでしょう、お馬鹿なお嬢ちゃん。本気でやってやろうじゃありませんか!」

     床の底にいた私の真上には、紗由理が立ちはだかっていた。

     こうなったら、やるしかない…!

     私はハンドガンを紗由理に向け、撃ち込んだ。


     邪魔な虫は殺しつつ、紗由理に何発もハンドガンを撃つ。

     紗由理「可哀想ですね!」

     私はショットガンに持ち変え、紗由理を撃った。


     紗由理「うああぁっ!」

     紗由理はよろけた後、床下へと落下した。

     紗由理「私の…、私の…!明かりを…!」

     紗由理は抵抗すると、黒い液が漏れ出した。


     私はカラスの鍵を使うと、目の前に天秤があった。

     これはもしや、紗由理の明かりを…?

     私は紗由理の明かりを奪い取りに向かった。

    【投稿者: リオン】

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    コメント一覧 

    1. 1.

      なかまくら

      虫をハンドガンで打つイメージが湧きにくいですね。
      怪物化しておおきいのでしょうか。次回は女王との決戦かなぁ。


    2. 2.

      リオン

      なかまくらさん》
       コメントありがとうございます♪
      虫は結構大きい方ですね。あんな大きい虫を旧館に残してる紗由理は一体何者なのか…。