メモリードール

  • 超短編 584文字
  • 日常

  • 著者: 佑麻
  • 最近は何やってもダメだな…
    何事にも無関心でつまらない
    その上失敗ばかりする
    どうにかなんねえかな
    このまんまじゃただただ無駄に生きてるだけのダメ人間以外の何者でもねえぞ
    気ばかり焦る毎日
    習い事を辞め、大学を辞め、バイトも落ちて、人生は俺をにくんでるんだろう
    間違いない
    そうでなきゃ俺から何もかもを奪う理由がない
    周りの人間はなんだか楽しそうっそれがまた腹立つ
    自分は幸せですよと言われてるみたいで
    自分だけ取り残されて、周りに先を越されている感覚を感じずにはいられない
    劣等感ばかりが日に日に強くなる
    このままじゃダメだ
    でもどうすればいいかわからな

    致命的すぎる…
    「さっきから泣き言しか言ってないわね。しょうもない」
    聞き覚えのない声が呆れたようにあった。
    「な…っなんだ…ゆっ……幽霊?」
    テンパりまくる俺
    声が完全に裏返ってる
    混乱状態で頭が回らずとりあえず勉強机の下にネズミの如く隠れる。
    怖かったので何がいるかなんて見ないよう腕の中に顔をうずめて何も起こらず終わるのを待つ
    「男のくせにこんじょうないわね」
    吐き捨てるようにそうくちにして、俺の頭を杖みたいな感じ(見えてないため勘だが)
    でつついてきやがった。
    さすがにイラッときたので反射的に怒鳴っていた
    「痛えだろうがこの野郎!」
    俺はその後すぐ我にかえる
    何せありえない存在が目の前にいるのだから
    「驚くのも無理はない。こんなこと普通起こらないからな」


    【投稿者: 佑麻】

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