アディレvsイーサン

  • 超短編 2,988文字
  • バトル

  • 著者: リオン
  •  ミア達と戦っていたアディレの前に立ったのは、イーサンだった。

     アディレ「何者だ?貴様は。」

     イーサン「名を名乗っておく。イーサン・ウィンターズだ。」

     イーサンは自分の名前を名乗った。

     イーサンの険しい表情が、アディレ達の瞳に映り込む。

     イーサン「美弥花達をこれ以上手は出させないぞ。」

     美弥花「イーサン…!」

     美弥花はイーサンを止めに行くように呼びかける。

     ジャック「イーサン…、お前、あの時のようになってもいいのか…!?」

     イーサン「俺が決めた事だ。止めないでくれ。」

     美弥花に続いたジャックはイーサンを止めるが、イーサンはきっぱりと否定した。

     アディレ「良いだろう。私は貴様が気に入った。」

     アディレ「…今から貴様は死んでもらうぞ。」

     イーサン「…来い!」

     アディレとイーサンの戦いが始まった。

    ヒュンッ

    バシィッ!

     イーサン「ぐっ…!?」

     アディレの拳が、イーサンの腕を狙う。

     イーサンはガードしつつ、体勢を立て直す。

     アディレ「どうだ。最初はいくら私でも、ごり押しで行くぞ。」

     イーサン「フッ、寧ろそうした方が面白いからな。準備はできてる。」

     現在のイーサンは、まだ余裕のよう。

     戦闘準備に入ったイーサンが、アディレの前で拳を握る。

     アディレ「それじゃあ…、闇の底へと堕ちろ!!」


     一方、こちらは美弥花達。

     美弥花「皆!こうなったらもう…!」

     乃々「美弥花!落ち着いて!ここは遠距離武器の人に援護を任せましょう!」

     美弥花「そうだね。ゆいっち!まっちー!」

     結衣「わかった。」

     真知「任せろ!」

     フリージアドッグの結衣と真知は、美弥花の命令に従う。

     乃々「では、アイリスキャットは…、玲さん!シルビアさん!」

     玲「合点承知ですわ!」

     シルビア「了解。狙い撃ちは任せて。」

     それに続き、アイリスキャットは玲とシルビアが動き出す。

     恋「だとしたらクローバーラビットは、美幸の出番って訳ね!」

     美幸「ええ。わかりました。」

     千穂「美幸、心を落ち着けて、よく狙って。」

     美幸「ええ。わかってる。」

     クローバーラビットは美幸。

     現在、クローバーラビットで遠距離武器を装備しているのは美幸だけ。


     アディレ「これでどうだ!」

    ドゴッ!

     イーサン「ぐふぅっ…!」

     イーサンはアディレに腹を殴られ、狼狽えた。

     アディレ「どうした、動きが鈍くなってるぞ。」

     イーサン「くそ…!」

     死にたくない。死ぬ訳にはいかない。

     イーサンには、その感情があるままだ。

     アディレ「貴様は闇の底に堕とす事で…、良いか?」

     イーサン「くっ…!…このクソ野郎がッ!!」

    バッ

     アディレ「…!」

    ヒュンッ

    ドゴッ!

     イーサン「…。」

     体勢を立て直したイーサンは、ガードしているアディレの腕を殴った。

     アディレ「なんだ。まだ動けるじゃないか。」 

     イーサン「当たり前だ。俺にはエヴリンがいる。」

     そう、少女エヴリン。

     イーサンは、エヴリンの力で強くなっていた。

     エヴリン「…。」

     アディレ「ほう…、あの幼女か。」

     イーサン「エヴリンが力をくれてるからな、その力が俺の身体の中に流れ込んでる。」

     ジャック「…!あの言葉…。」

     ジャックは何かを思い出した。

    ~~~~~~~~~~~~~~~
     イーサン「ぐあぁ…ッ!」

     ジャック「どうだ、驚いたろ?あんなもんでくたばると思ったか?」

     これは、イーサンがベイカー邸にいた頃の話。

     当時、ジャックはエヴリンの力で黒幕となっていた。

     ジャック「俺達にあの子が力をくれたんよ。そしてその力はいつも俺の中に流れてる。

     ジャック「わかるだろ?俺達家族もあの子の力がもたらした。」

     ジャック「どういう事かと言うとな…、お前はもう死ぬんだよ!」




    ~~~~~~~~~~~~~~~
     イーサンは、ジャックと同じ事を言っていた。

     ジャック「イーサン…。」

     アディレ「彼女の力で強くなってる訳か。ハッ、面白い冗談を。」

     アディレは嘲笑っていた。

     イーサン「いいや、事実だ。エヴリンがいる限り、俺は何度でも生き返ってやる。」

     アディレ「なら、あの幼女から殺すべきだな。」

     愛梨「…!?」

    バッ

     アディレはイーサンを置き、飛び出した。

     イーサン「おい!どこへ行く!!」

     アディレが向かった先は…。

     エヴリン「…!?」

     エヴリンだった。

     アディレ「お前から排除してやる!」

     愛梨「やめろおぉぉおッ!!」

    ガキンッ!

     傍で見ていた愛梨が、エヴリンの盾になり、アディレの攻撃を受け止めた。

     アディレ「…!邪魔をするな。」

     愛梨「あんたなんかに、エヴリンを殺させない。なんなら、あたしが相手になってあげよっか!?」

     乃々「…!愛梨…!?」

     覚悟を決めた愛梨。

     エヴリンは、愛梨が大切にしていた仲間だ。

     アディレ「今はその幼女が先だ。消え失せろ!」

    ドゴォッ!

     愛梨「ぐっ…!」

     アディレの拳を受け止めつつも、愛梨はガードを諦めなかった。

     アディレ「まだ懲りないって言うのか?ならもう一発…」

     イーサン「それ以上…。」

     アディレ「…ん?」

     イーサン「手を出すなあぁぁぁぁぁぁぁあッ!!!!」

     アディレ「…!」

    ドゴォッ!

     アディレ「ごはぁッ…!?」

     イーサンは猛獣の如く、アディレを殴りかけた。

     ミア「イーサン!」

     イーサン「でやあぁぁぁあッ!!」

    ガキンッ!

     アディレ「この…!」

     アディレはイーサンの攻撃を受け止めた。

     が、しかし…。

     シルビア「皆!ファイオ!!」

     アディレ「…!?」

     結衣・真知・玲・美幸「でやあぁぁぁあッ!!」

    ドオォンッ!!

     アディレ「何だと…!?」

    ドゴアァッ!

     アディレ「ごはぁ…ッ!!」

     5人のサテライトとガンの弾が、アディレに命中した。

     シルビア「イーサン!もう一発!」

     イーサン「喰らえ!」

     アディレ「…。」

     イーサンはアディレに一撃を喰らわす。が…!

     アディレ「死ぬのはお前の方だ。」

     イーサン「…!ぐあぁッ!!」

     イーサンはアディレの謎の衝撃波により、吹き飛ばされた。

     玲「イーサンさん!」

     アディレ「周りの者は邪魔だ。失せろ!」

    ズガアァッ!!

     オルタナ全員「きゃあぁッ!!」

     イーサン以外全員「ぐわあぁッ!!」

     皆倒された。

     イーサン「くそ…!」

     アディレ「私の相手は、この男とあの幼女だ。

     アディレ「邪魔者はそこで倒れていろ。」

     生き残っているのは、イーサンやエヴリン、アディレの3人だけだった。

     イーサン「ミア…!ゾイ…!ジャック…!マーガレット…!ルーカス…!それにオルタナ達…!」

     アディレ「…ん?」

     イーサン「俺の仲間達に…!」

     アディレ「何だ。言いたい事があるならさっさと…」

     アディレが問いかける瞬間…。

     イーサン「俺の仲間達に何しやがる!!

     イーサン「お前は…!マジでお前は…!!こんな何人ものの人間を!!!こうやって殺し続けるのかよ!!!!

     イーサン「ふざけるな…!ふざけんなよ!!このクソイカレ夜人野郎があぁッ!!!」

     アディレ「…!」

     イーサンはモンスターのような険しい表情でアディレを睨み、混み上がっていた感情が全て出された。

     アディレ(激怒しただと…?仲間全員が殺されて…。)

     イーサン「…ここまで言われないと、気が済まないのか。」

     イーサン「俺の言葉全部、エヴリンの力と混ぜてやる。」

     アディレ「そう簡単に行くと思ってるのか?」

     イーサン「アディレと言ったな。今のアディレの相手は俺とエヴリンの二人だ。

     イーサン「…相手が二人がかりで死ぬ覚悟はできているな?」

     エヴリン「イーサン…。」

     アディレ「…面白い。」

     アディレ「お前のその本当の力を、ここで見せて貰おうか!」

     イーサン「エヴリン、行くぞ!」

     エヴリン「イーサン、わかった!」

     そして、最終戦が今、始まった。

    【投稿者: リオン】

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